昨年、11月11日から16日までの6日間、当院において満足度調査を実施いたしましたが大勢の患者さんにご協力をいただき無事終了することができました。今回も延べ1907名(外来1420名、入院487名)の方にご協力いただきました。ご協力大変に有難うございました。このアンケート調査の結果を病院業務や診療に生かして患者さんに安心して高度医療を受けていただけるように病院業務や診療サービスを改善していきたいと思います。
今回のアンケート調査でご回答いただいた内容は、先ず、「当院に期待する医療について」をお尋ねしました。次に当院に対する満足度を外来では施設面、接遇面、診察面、時間面に対して、病棟では院内施設面、病室環境面、接遇面、診察面に分けて質問させていただきました。結果は、以下に示します通りでありますが、「当院に期待する医療について」の中では、「入院」、「外来」双方のアンケートにおいて「緊急時の救急医療」、「専門的医療」、「重篤な患者さんへの高度医療」、「地域医療と連携した診察や検査・入院の体制」が多くの方から選ばれました。これらの選択理由から「高度な医療を実現する急性期病院」としての役割へ期待が高いことが見て取れます。大学病院としての高度な専門的医療、さらに医療センターとしての緊急性と幅広い総合医療が実現できるように人材の確保と診療内容の充実と進歩を続けてまいりたいと思います。
次に、施設面については外来、入院ともに「トイレ、洗面、給湯等の設備」、「売店、食堂、自動販売機」の項目において「非常に満足」と「満足」を足しても30~40%と比較的低い評価でありました。「外来」でのアンケートでは「各科の待合室の設備や雰囲気」、「駐車場の広さ入りやすさ」、「交通の便」の項目で、「非常に満足」と「満足」を足しても30~40%と低い評価でありました。ここ数年、さらに増加した外来患者受診総数に比較して当院の外来部門の施設が不十分であり、その拡張と改善が必要であることを指摘する結果と思われました。駐車場についてはこれまで拡張を続けてきたものの空きスペースの表示がないことや駐車場内の案内がわかりにくいことなどがあり、スムーズな駐車ができない状況が多々発生しております。その改善策として駐車場全体の駐車状況の情報が得られるシステムや保安面も守られる管理システムを強化することが必要と思われます。現在、駐車場内の道路の整備や排水工事などを進めており使用しやすい駐車場に生まれ変わります。
また、入院患者さんからは「建物の外観や作り」に対して満足度は低い結果でありました。入院中の患者さんにとっては院内のアメニティの充実が極めて重要な要素であることは当然であり、院内において診察や処置、検査部門以外に談話室や図書室、カフェ、さらにアウトドアでは緑地の散策路などあればもっと患者さんに和みの時間を提供できることと思います。この結果は今後の病院設備改修の課題とさせていただきます。次に接遇面については、「入院部門」からは「医師、看護師、薬剤師のそれぞれの言葉使いや態度」について80%の満足評価をいただきましたが、「外来部門」にすべての職種において60%以下でありました。おそらく、外来においてはより多数の患者さんの対応があり、余裕をもって応対できないことが接遇の質の低下につながっていることが推察されます。「患者さんの身になって」対応することを常に忘れず、埼玉医科大学がミッションとして掲げた「Your HAPPINES Is our HAPPINES」の実践を常に心がけて「患者さん第一」の医療をすべての領域において達成していきたいと思います。
最後に外来での時間面についての調査ではやはり「満足以上」の評価は軒並み20〜40%と低い評価であり、特に診察待ち時間に対しては満足以上が21%と低い評価で、診察時間についても「満足以上」が38%とやはり低い評価でありました。多くの患者さんが待ち時間について改善を求めていることを示す結果であります。待ち時間が長くなる理由としては医師数が足りないことや外来診察室の不足などが挙げられます。さらに医療の高度化のために多くの検査が行われていること、さらにその結果説明が重要で一人一人の患者さんにかける診察時間が長くなってきたことなど挙げられます。しかし、今後の予定として高度救急医療センターの新築に伴う院内改造予定がありますのでその中で外来部門の拡張も予定されております。待ち時間短縮につながるような改善を果たしたいと考えています。
以上、今回の病院満足度調査についてご報告申し上げました。この結果に見られます患者さんの声を生かして病院業務及び診療サービスに生かしてまいりたいと思います。ご協力大変にありがとうございました。
病院長 堤 晴彦