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脳神経外科

2020年1月9日更新

 

ご挨拶

埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科は1986年6月に開設され30年が経過しました。現在では埼玉県における中核的な存在として年間手術件数も600件を越え全国的でも有数の施設に成長しました。「患者さんにとって最良の医療を提供する」ことをモットーとしてきた結果であると自負しております。

さて日本脳神経外科学会HPでは、脳神経外科とは「脳、脊髄、末梢神経系およびその付属器官(血管、骨、筋肉など)を含めた神経系全般の疾患のなかで主に外科的治療の対象となりうる疾患について診断、治療を行う医療の一分野です」と定義しています。つまりさまざまな神経症候ー頭痛、意識障害、突然の痙攣、片麻痺、運動障害、めまい、難聴、視野障害、言語障害、顔面痛、顔面痙攣、認知症、しびれ、などが対象になります。神経内科、耳鼻咽喉科、眼科、整形外科、メンタルクリニック、ペインクリニック、小児科、心臓内科、糖尿病・内分泌内科などとチーム医療を展開することによって、新生児から高齢者までの脳と脊椎脊髄疾患に対応しています。

診療内容は代表的疾患の脳卒中 (くも膜下出血、脳出血、脳梗塞、内頚動脈狭窄症、脳動静脈奇形、未破裂脳動脈瘤)、脳および脊髄の腫瘍、顔面痙攣や三叉神経痛、頭部外傷などに最新の知見に基づいた治療を実践しております。脳腫瘍の中でも特に注力している髄膜腫・聴神経鞘腫・下垂体腺腫・頭蓋咽頭腫等の良性脳腫瘍にも豊富な手術経験に基づいた良好な成績をあげています。神経膠腫を始めとする悪性脳腫瘍に関してもモニタリングを駆使し患者さんの生活の質を保ちつつ摘出度を高め長期の腫瘍制御を実現しています。2017年4月より神経内科と合同で脳血管センターを立ち上げ、t-PA治療・血栓回収や脳動脈瘤のカテーテル治療も数多く施行しています。近隣の医療機関とは脳神経外科ホットライン及び県指定の脳卒中ホットラインを導入し、速やかな脳卒中患者さんの受入を行っています。

このように多岐にわたる脳神経外科疾患を対象にしており、患者さん及び御家族の方々に十分にご納得いただける、エビデンスに基づいた最先端治療を提供できるよう努めております。

当科の診療について

埼玉医科大学総合医療センター・脳神経外科では、「患者さんにとって最良の結果をだす」ことを目標として、毎日の診療を行っています。当脳神経外科は、地域の高次救急医療の拠点としてきわめて重症の患者さんを24時間体制で受け入れております。さらに、一般の病院では治療の困難な手術難易度の高い頭蓋底腫瘍やグリオーマ(神経膠腫)、あるいは小児科や小児集中治療科との密接な協力体制のもとで小児脳腫瘍・脳血管障害、そして放射線あるいは化学療法などの手術と併せて行ういわゆる“集学的治療”が必要となる難治性の脳腫瘍・脳動静脈奇形、などを積極的に受け入れています。総合病院ですので、ほかの内科・外科・耳鼻科・眼科・形成外科・放射線科などとも積極的に提携し、総合的な最新の治療を受けることが可能です。

当科が特に力を注いでいる分野は、脳血管障害、脳腫瘍です。具体的には、破裂・未破裂脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術や血管内塞栓術、もやもや病などに対するバイパス術、頚動脈狭窄症に対する血管内ステント術(CAS)や内頚動脈内膜剥離術(CEA)、などに積極的に取り組んでいます。当科の特色は、カテーテルを用いた低侵襲治療(血管内治療)と根治性の高い直達手術を、症例ごとに患者さんのご意向を考慮しながら適切に選択していることです。当院では両治療法とも専門医・指導医による高度な治療が可能です。また、カテーテルによる急性期血栓溶解療法にも神経内科と密に連携して力を入れています。また当科では開頭術あるいは内視鏡を駆使して全ての脳腫瘍に対応可能であることも大きな特色です。髄膜腫・聴神経鞘腫・下垂体腺腫・頭蓋咽頭腫などの良性脳腫瘍およびグリオーマ、小児脳腫瘍、には特に力を注いでいます。ほか、三叉神経痛・顔面けいれんや、一般的な脊髄脊椎疾患や脊髄腫瘍の手術も多数施行しており治療経験が豊富です。

よりいっそう治療成績を向上させるため日々知識と技術の研鑽に励んでおり、また多数の臨床研究も施行するなど、大学病院としての社会的責任を果たすべく努力しています。しかし、最も大切なことは「患者さんやご家族の身になってより満足度の高い治療を提供すること」であると考えています。

対象疾患

当科で治療可能な疾患と治療内容は以下の通りです。

  • 全ての脳腫瘍(髄膜腫、グリオーマ、聴神経腫瘍、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、小児脳腫瘍、頭蓋底腫瘍、転移性脳腫瘍など)に対する開頭腫瘍摘出術・内視鏡下腫瘍摘出術
  • 破裂・未破裂脳動脈瘤に対する開頭クリッピング術や血管内塞栓術
  • 脳動静脈奇形に対する血管内手術・開頭手術・放射線治療を組み合わせた集学的治療
  • もやもや病や頭蓋内動脈狭窄症などに対するバイパス術
  • 頚動脈狭窄症に対する血管内ステント術(CAS)や内頚動脈内膜剥離術(CEA)
  • 脳塞栓症に対する急性期血栓溶解療法
  • 三叉神経痛、顔面けいれん
  • 脊髄・脊椎疾患
  • 脊髄腫瘍
  • 上記の待機的疾患のほか、頭部外傷・脳卒中・周産期脳卒中などの、きわめて緊急性が高くかつ救急科・産科・麻酔科・小児科などとの連携を要する高度急性期医療
 

対象となる症状

脳腫瘍による症状は、頭痛、手足の麻痺やしびれ、言葉がしゃべりにくい、ぼうっとして様子がおかしい、物忘れ、などの症状がゆっくりと進行してきます。このような症状が気になる場合には当科にて詳しい検査を行います。

また、脳卒中(脳出血や脳梗塞)の場合は、激しい頭痛、手足や顔面の麻痺、意識障害などを突然発症します。今までに経験したことがないような強い頭痛が突然生じた場合はくも膜下出血の恐れがありますので、すぐに受診が必要です。特に脳梗塞の場合は発症後早期であれば回復の可能性もありますが、時間が経過してしまうと症状が固定してしまいます。すなわち突然症状が出た場合は早期の受診が重要です。また短時間上記の症状が出てすぐに治ってしまったような場合も、重大な脳血管疾患の前触れである可能性がありますので、放置せずにできるだけ早く受診すべきです。

診療実績

2018年 入院
疾患名症例数
総数555件
◯脳腫瘍(102件)
(1)摘出術81
(2)生検術 (開頭術)9
(3)経蝶形骨洞手術6
(4)広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術5
◯脳血管障害(直達術)(106件)
(1)破裂動脈瘤31
(2)未破裂動脈瘤18
(3)脳動静脈奇形7
(4)頚動脈内膜剥離術15
(5)バイパス手術9
(6)高血圧性脳内出血 (開頭血腫除去術)12
(7)その他14
◯血管内手術(125件)
(1)動脈瘤塞栓術 (破裂動脈瘤)16
(1)動脈瘤塞栓術 (未破裂動脈瘤)17
(2)動静脈奇形 (脳)14
(2)動静脈奇形 (脊髄)7
(3)閉塞性脳血管障害の総数38
(3) (上記のうちステント使用例)24
(4)その他14
◯外傷:
(1)急性硬膜外血腫6
(2)急性硬膜下血腫10
(3)減圧開頭術1
(4)慢性硬膜下血腫91
(5)その他0
◯脊椎・脊髄21
(1)腫瘍5
(2)動静脈奇形2
(3)変性疾患 (変形性脊椎症)11
(3)変性疾患 (椎間板ヘルニア)0
(3)変性疾患 (後縦靭帯骨化症)0
(4)脊髄空洞症2
(5)その他1
◯機能的手術:
(1)脳神経減圧術18
◯その他43

診療スタッフ

氏名 資格 職位 専門分野 認定資格
松居 徹
(まつい とおる)
脳神経外科スタッフ001
教授 運営責任者
部長
副院長
脳血管障害
頭蓋底腫瘍
脊椎脊髄疾患
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
庄島 正明
(しょうじま まさあき)
脳神経外科スタッフ002
教授 脳血管センター長 脳血管内治療(脳動脈瘤・脳動静脈奇形・頚動脈狭窄症など)
脊髄・顔面血管病変に対するカテーテル治療
日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
大宅 宗一
(おおや そういち)
脳神経外科スタッフ003
教授 副部長
病棟医長
脳腫瘍(髄膜腫、聴神経鞘腫、グリオーマ、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫など)
脳血管障害(動脈瘤、脳動静脈奇形、成人・小児もやもや病など)
神経血管減圧術(三叉神経痛、顔面けいれん)
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
印東 雅大
(いんどう まさひろ)
脳神経外科スタッフ004
講師 外来医長 脳血管障害(動脈瘤、脳動静脈奇形、頚動脈狭窄症、成人・小児もやもや病など)
頭蓋底腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、転移性腫瘍など)
脳血管内治療
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
中村 巧
(なかむら たくみ)
脳神経外科スタッフ005
助教 研修担当医長
医局長
専門医員
脳血管障害
小児脳神経外科
頭部外傷
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
花北 俊哉
(はなきた しゅんや)
脳神経外科スタッフ005
助教 教育員
専門医員
脳腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫、グリオーマ、頭蓋底腫瘍など)
内視鏡下頭蓋底手術(脊索腫、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、など)
脳血管障害
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
吉田 信介
(よしだ しんすけ)
脳神経外科スタッフ007
助教 医員 脊椎脊髄手術
脳血管障害(頚部内頚動脈狭窄症、動脈瘤、もやもや病など)
神経内視鏡手術
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脊髄外科学会認定医
齊藤 徹
(さいとう あきら)
脳神経外科スタッフ008
助教 医員 脳動脈瘤のハイブリット治療
頚動脈狭窄症
もやもや病
日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医
遠藤 昌亨
(えんどう まさみち)
脳神経外科スタッフ008
専攻医 医員 脳神経外科全般
轟 和典
(とどろき かずのり)
脳神経外科スタッフ008
専攻医 医員 脳神経外科全般
藤澤 直顕
(ふじさわ なおあき)
脳神経外科スタッフ011
非常勤講師 脳血管障害
内頚動脈内膜剥離術
頭部外傷
日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
海津 啓之
(かいづ ひろゆき)
脳神経外科スタッフ011
非常勤講師 武蔵野総合病院理事長 日本脳神経外科学会専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
小原 琢磨
(おばら たくま)
脳神経外科スタッフ010
非常勤講師 三愛病院脳神経外科部長 日本脳神経外科学会専門医
平川 亘
(ひらかわ わたる)
脳神経外科スタッフ012
非常勤講師 池袋病院脳神経外科部長
副院長
日本脳神経外科学会専門医

外来担当医表

脳神経外科
  月曜日
Monday
火曜日
Tuesday
水曜日
Wednesday
木曜日
Thursday
金曜日
Friday
土曜日
Saturday
午前
1診






2診
松居 徹
(Matsui Toru)
花北 俊哉
(Hanakita Shunya)
轟 和典
(Todoroki Kazunori)
庄島 正明
(Shojima Masaaki)
齋藤 徹
(Saitou Akira)

3診
大宅 宗一
(Oya Souichi)
大宅 宗一
(Oya Souichi)
中村 巧
(Nakamura Takumi)
印東 雅大
(Indo Masahiro)
吉田 信介
(Yoshida Shinsuke)

医療機関の方へ

① 地域の医療機関の方へ

脳血管障害を疑う救急患者さんに関しましては、ご連絡いただきましたら迅速に対応いたします。
また、脳神経外科領域のなかでも特に当科が専門とする、

  • 脳腫瘍(髄膜腫、聴神経鞘腫、神経膠腫、頭蓋咽頭腫、下垂体腫瘍など)
  • 脳動脈瘤
  • 脳動静脈奇形
  • 頭蓋内動脈狭窄症、頚部頚動脈狭窄症
  • 成人・小児もやもや病
  • 三叉神経痛や顔面けいれん
  • 脊椎脊髄疾患

を疑う患者さんがいらっしゃいましたらお気軽にご相談いただけましたら幸いです。当科は地域の医療機関と緊密な連携をとってまいりたいと考えております。受診後は詳細にご報告させていただきます。

② 医学生・研修医の方へ

当教室では、随時、クリニカルオブザベーションや説明会を行っています。「臨床・研究」に偏りがちな大学病院ですが、当科は「育成」をきわめて重要な使命と位置づけています。 そのようななかで、

  • 実際に手を動かしたり治療に参加したりする機会が十分にあること
  • カンファや抄読会、あるいは日々の診療においても、教育熱心であること
  • いわゆる大学病院にありがちな、若い医師が雑用のみに忙殺されるというようなことが決してないように配慮すること

を心がけています。さらに当科は、髄膜腫・聴神経鞘腫・頭蓋咽頭腫・下垂体腺腫などの頭蓋底腫瘍、あるいは頭蓋底部の治療の難しい血管性病変、脊椎脊髄病変に対して、より安全な手術法を模索するため、埼玉医科大学付属病院の第1解剖学教室と連携して研究を行っています。医局員の博士号取得に鋭意努力しているとともに、脳神経外科医師あるいは学生に向けた解剖の講義も行っています。こうした手術を中心とした脳神経外科診療に興味のある研修医の方あるいは医学生の方がいらっしゃいましたら、ぜひ当科までご連絡ください。

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