日々多くの脳腫瘍患者さんを診療している脳神経外科では、国内で実施可能なほぼすべての先端医療技術を駆使し、脳腫瘍の治療に取り組んでいます。最新の三次元コンピュータグラフィックス医用解析画像を用いて手術前に脳や腫瘍の立体構造を高精細に再現したシミュレーションを実施し、ナビゲーション支援下の安全かつ高精度な手術を実施します。近年では作成したvirtual realityモデルを顕微鏡術野に投影表示することも可能となっています。その他にも特殊なフッ素核種を用いた脳PET検査(アキュミン)、がんゲノムパネル検査(GenMineTOP)によるゲノム診療、脳腫瘍電場治療装置(オプチューン)など、最新技術を積極的に導入し、海外の専門機関にも劣らない高度な治療を提供しています。
また、神経内視鏡を用いた低侵襲頭蓋底手術にも力を入れています。鼻の穴や約3cmの小さな開頭からアプローチすることで、体への負担を最小限に抑えつつ、安全性を高め、早期回復をめざしています。頭蓋底腫瘍や下垂体腫瘍などに対して、患者さんにとってより優しい治療を実現すべく、日々技術の研鑽に努めています。

文責:埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科