2020年9月30日更新
埼玉医科大学総合医療センター神経内科は2004年に開設され、日々進歩している若くて活気ある教室です。神経内科では、免疫性神経疾患、末梢神経疾患、脳血管障害、変性疾患をはじめとする多彩な神経疾患の治療と研究に当たっています。
当科では年間を通して約250名以上の脳血管障害患者を受け入れており、最新の超急性期治療であるtPA治療や血管内カテーテル治療を行い、急性期から回復期までの治療、さらに急性期からのリハビリテーション治療を積極的に行っています。
研究面では、神経疾患の診療のみならず神経難病を代表とする疾病の研究を行っており、厚生労働省の難治性疾患克服研究班、免疫性神経疾患の班員を務めています。多発性硬化症、脳炎、脊髄炎、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症などの免疫性神経疾患に対する治療法として、免疫療法(ステロイド療法、免疫グロブリン療法、血液浄化療法、免疫抑制療法等)を駆使した最新の治療を行っており、最近では血液浄化療法の先駆的な治療法の研究開発により良好な治療成績をあげ、国際的にも高い評価を受けています。さらに、末梢血T・B細胞サブセット、血清サイトカイン、酸化ストレス・抗酸化力、各種自己抗体などの測定を行い、疾患の病態とその新たな治療に主眼をおき研究しています。最新の知見をもとに実際の臨床へのフィードバックを実現しております。また、神経難病に対する臨床治験による最新の治療の導入も積極的に行っております。
当科では、脳血管障害、免疫性神経疾患、末梢神経疾患、変性疾患、頭痛、認知症、てんかんをはじめとする多彩な神経疾患の診療を行っております。
特に、多発性硬化症、脳炎、脊髄炎、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症などの免疫性神経疾患に対する治療法として、免疫療法(ステロイド療法、 免疫グロブリン療法、血液浄化療法、免疫抑制療法など)を駆使した最新の治療を行っており、最近では血液浄化療法の先駆的な治療法の研究開発により 良好な治療成績をあげ、国際的にも高い評価をも受けております。
各疾患については専門外来を設定しており,患者さんへ高度な治療を提供しております。
神経内科の対象疾患は,脳から脊髄,手足の神経,筋肉の領域において発症する病気であり,本当にさまざまです。
具体的に挙げますと,脳疾患として脳卒中(脳梗塞,脳出血),パーキンソン病,脳炎,髄膜炎です.末梢神経疾患としては,ギラン・バレー症候群(GBS)、糖尿病性末梢神経障害、各種の神経痛等 があります.筋疾患としては,筋緊張性ジストロフィーなどがあります。
神経難病としては,免疫性神経疾患(多発性硬化症(MS)、重症筋無力症(MG)、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳変性症などがあります。
その他、頭痛、てんかん、認知症、頚・腰椎症などがあります。
「神経内科の対象疾患」は広範囲に及びますので、実にさまざまな訴えを診療しております。患者さんが訴えられる主な症状は、「頭痛、手足のしびれ、めまい、物忘れ、手足のふるえ、手足の脱力、けいれん、手足が勝手に動く、ものが飲み込みにくい、呂律が回らない、物が二重に見える、疲れやすい、瞼が下がる、ふらつく」など様々なものがございます。
患者さんご自身が神経内科を受診すべきかどうかを判断されることは、難しいことだと承知しております。この様な場合では、お近くのかかりつけのお医者様に、ご自分の症状を相談され、神経内科受診を勧めていただくことが一つの手段と考えられます。その際には、紹介状をご持参いただけますと、当科での診療がよりスムーズに進みますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
疾患名 | 症例数 | |
---|---|---|
①血管障害 | 脳梗塞 | 292 |
脳出血 | 2 | |
内頚動脈狭窄症 | 7 | |
脊髄梗塞 | 3 | |
脳静脈奇形 | 2 | |
可逆性脳血管攣縮症候群 | 3 | |
②感染、炎症 | 細菌性髄膜炎 | 4 |
無菌性髄膜炎 | 11 | |
ヘルペス脳炎 | 5 | |
橋本脳症 | 1 | |
その他の脳症、脳炎(辺縁系脳炎も含み) | 24 | |
低血糖性脳症 | 3 | |
クロイツフェルト・ヤコブ | 1 | |
視神経炎 | 1 | |
肥厚性硬膜炎 | 4 | |
脳梁エンセファロパチー | 3 | |
チャーグ ストラウス症候群 | 6 | |
③変性 | 筋萎縮性側索硬化症 | 24 |
球脊髄性筋萎縮症 | 1 | |
パーキンソン病 | 9 | |
脊髄小脳変性症・多系統委縮症 | 17 | |
スティッフパーソン症候群 | 2 | |
ハンチントン舞踏病 | 1 | |
アルツハイマー型認知症 | 2 | |
前頭側頭型認知症 | 1 | |
皮質基底核変性症 | 2 | |
レビー小体型認知症 | 1 | |
進行性核上性麻痺 | 3 | |
④脱髄 | 多発性硬化症・視神経脊髄炎 | 60 |
急性散在性脳脊髄炎 | 5 | |
⑤代謝 | 正常圧水頭症 | 1 |
MELAS | 2 | |
⑥腫瘍 | 脳腫瘍(転移性含め) | 10 |
傍腫瘍性症候群 | 1 | |
⑦機能性 | てんかん | 41 |
⑧脊髄 | (横断性)脊髄炎 | 7 |
⑨末梢神経 | ギランバレー症候群 | 16 |
慢性炎症性脱髄性多発神経炎 | 23 | |
シャルコー・マリエ・トゥース | 3 | |
⑩神経筋接合部及び筋 | 重症筋無力症 | 43 |
多発性筋炎・皮膚筋炎 | 14 | |
筋ジストロフィー | 2 | |
横紋筋融解症 | 1 | |
イートンランバート症候群 | 1 | |
周期性四肢麻痺 | 1 | |
封入対筋炎 | 7 | |
免疫介在性壊死性ミオパチー | 1 | |
低カリウム性ミオパチー | 2 | |
感染性筋炎 | 5 | |
⑪自律神経 | ||
⑫その他 | 一過性全健忘 | 5 |
(感染後)脳神経麻痺 | 12 | |
トロサハント症候群 | 3 | |
神経ベーチェット病 | 3 | |
神経スウィート病 | 2 | |
アルコール性神経障害 | 1 | |
神経サルコイドーシス | 1 | |
神経痛性筋萎縮症 | 5 | |
腕神経叢炎 | 1 | |
可逆性後頭葉白質脳症 | 1 | |
馬尾症候群 | 3 | |
その他 | 99 | |
合計 | 817 |
外来患者 | 人数 |
---|---|
初診・予約外 | 7,987 |
再診 | 12,033 |
総人数 (同一人物の複数回受診含む) | 20,020 |
氏名 | 資格 | 職位 | 専門分野 | 認定資格 |
---|---|---|---|---|
海田 賢一 (かいだ けんいち) ![]() |
教授 | 診療部長 研究主任 |
免疫性神経疾患 末梢神経疾患 変性疾患 |
日本内科学会総合専門医・指導医 日本神経学会専門医・指導医・代議員 日本末梢神経学会理事 日本神経免疫学会評議員 日本神経治療学会評議員 |
深浦 彦彰 (ふかうら ひこあき) ![]() |
准教授 | 教育主任(卒前) | 免疫性神経疾患 血液浄化療法 |
日本神経学会専門医・指導医・評議員 日本神経免疫学会評議員 日本神経治療学会評議員 American Academy of Neurology |
傳法 倫久 (でんぼう ともひさ) ![]() |
准教授 | 研究副主任 | 脳血管障害 脳血管内治療 脳卒中急性期画像 |
日本神経学会専門医・指導医・評議員 日本脳卒中学会専門医・評議員 日本脳神経血管内治療学会専門医 |
王子 聡 (おうじ さとる) ![]() |
講師 | 教育副主任(卒後) 病棟医長 研修医長 |
免疫性神経疾患 血液浄化療法 |
日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会専門医・指導医 日本アフェレシス学会専門医・評議員 日本神経治療学会評議員 日本神経免疫学会評議員 |
伊﨑 祥子 (いざき しょうこ) ![]() |
講師 | 医局長 | 免疫性神経疾患神経感染症 | 日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会専門医・指導医 日本神経感染症学会評議員 |
吉田 典史 (よしだ のりひと) ![]() |
助教 | 外来医長 | Parkinson病関連疾患 | 日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会専門医・指導医 |
石塚 慶太 (いしづか けいた) ![]() |
助教 | 電気生理学 | 神経内科専門医 | |
杉本 恒平 (すぎもと こうへい) ![]() |
助教 | 電気生理学 | 神経内科専門医 日本内科学会認定医 |
|
鈴木 理人 (すずき まさと) ![]() |
助教 | 認知症 | 日本神経学会専門医 日本内科学会専門医 日本認知症学会専門医 |
|
田島 孝士 (たじま たかし) ![]() |
助教 | 脳血管障害 脳血管内治療 |
日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医 |
|
田中 覚 (たなか さとる) ![]() |
助教 | 免疫性神経疾患 | 日本神経学会専門医 | |
橋本 ばく (はしもと ばく) ![]() |
助教 | 免疫性神経疾患 | 日本内科学会認定医 | |
原 渉 (はら わたる) ![]() |
助教 | 頭痛 脳血管障害 脳血管内治療 |
日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会専門医・指導医 日本頭痛学会専門医 日本脳卒中学会専門医 |
|
古谷 真由美 (ふるや まゆみ) ![]() |
助教 | 血液浄化療法 | 神経内科専門医 | |
宮内 敦生 (みやうち あつお) ![]() |
助教 | 神経変性疾患 | 日本内科学会認定医 | |
山鹿 哲郎 (やまが てつお) ![]() |
助教 | 臨床神経学 | 日本内科学会認定医 | |
山元 正臣 (やまもと まさおみ) ![]() |
助教 | 臨床神経学 | ||
野村 恭一 (のむら きょういち) ![]() |
客員教授 | 免疫性神経疾患 末梢神経疾患 血液浄化療法 |
日本神経学会専門医・指導医・評議員 日本神経免疫学会理事 日本アフェレシス学会専門医・理事 日本末梢神経学会理事 日本神経治療学会代議員 |
|
木下 正信 (きのした まさのぶ) ![]() |
非常勤 | 筋疾患 | ||
三井 隆男 (みつい たかお) ![]() |
非常勤 | 末梢神経学 電気生理学 |
||
山里 将瑞 (やまざと まさみず) ![]() |
非常勤 | 脳血管障害 神経超音波 |
||
成川 真也 (なるかわ しんや) ![]() |
非常勤 | 末梢神経学 電気生理学 免疫性神経疾患 |
日本神経学会専門医・指導医 日本内科学会専門医・指導医 日本臨床神経生理学会専門医 日本末梢神経学会評議員 |
神経内科 | ||||||
月曜日 Monday |
火曜日 Tuesday |
水曜日 Wednesday |
木曜日 Thursday |
金曜日 Friday |
土曜日 Saturday |
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午前 | ||||||
初診 |
田中 覚 (Tanaka Satoru) |
鈴木 理人 (Suzuki Masato) |
原 渉 (Hara Wataru) |
伊崎・王子・吉田 (Izaki/Ouji/Yoshida) (交替制) |
伊崎 祥子 (Izaki Shouko) |
田島 孝士 (Tajima Takashi) |
杉本 恒平 (Sugimoto Kouhei) |
石塚 慶太 (Ishiduka Keita) |
古谷 真由美 (Furuya Mayumi) |
深浦 彦彰 (Fukaura Hikoaki) |
吉田 典史 (Yoshida Norihito) |
(交替制) |
|
海田 賢一 (Kaida Kenichi) |
王子 聡 (Ouji Satoru) |
傳法 倫久 (Dembo Tomohisa) |
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初診 ・ 再診 |
野村 恭一 (Nomura Kyouichi) |
山里 将瑞 (Yamazato Masazumi) |
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専門外来 |
筋ジストロフィー 木下 正信 (Kinoshita Masanobu) |
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午後 | ||||||
再診・ 専門外来 |
MS/NMO 王子 聡 (Ouji Satoru) |
頭痛 原 渉 (Hara Wataru) |
認知症 鈴木 理人 (Suzuki Masato) |
電気生理 石塚 慶太 (Ishizuka Keita) |
末梢神経・ 神経免疫 海田 賢一 (Kaida Kenichi) |
筋ジストロフィー 木下 正信 (Kinoshita Masanobu) |
重症筋無力症 伊崎 祥子 (Izaki Shouko) |
脳血管障害 傳法 倫久 (Dembo Tomohisa) |
末梢神経 杉本 恒平 (Sugimoto Kouhei) |
てんかん 古谷 真由美 (Furuya Mayumi) |
|||
パーキンソン病 吉田 典史 (Yoshida Norihito) |
MS/NMO 重症筋無力症 野村 恭一 (Nomura Kyouichi) |
MS/NMO 深浦 彦彰 (Fukaura Hikoaki) |
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再診 |
宮内 敦生 (Miyauchi Atsuo) |
田中 覚 (Tanaka Satoru) |
||||
山鹿 哲郎 (Yamaga Tetsurou) 橋本 ばく (Hashimoto Baku) (交替制) |
●土曜日の診療体制は、以下の通りです
1.初診について:初診、及び紹介状をお持ちの患者様の外来診療を行います。
2.再診について
原則、土曜日の再診予約はありません。
筋ジストロフィー専門外来の再診には、変更ございません。
●再診外来は完全予約制です。まず月曜日から土曜日までの午前の初診外来を受診され、
検査や専門的治療が必要な場合には、外来担当医がそれぞれの専門外来の予約をいたします。
神経内科は、2004年に開設され、日々進歩している若くて活気ある教室です。当科では、免疫性神経疾患、末梢神経疾患、脳血管障害、変性疾患をはじめとする多彩な神経疾患の治療と研究を行っております。
年間を通して250名以上の脳血管障害患者を受け入れ、超急性期治療であるtPA治療,血管内カテーテル治療を行い、急性期から回復期までの治療を担当し、さらに急性期からのリハビリテーション治療を積極的に施行しています。
研究面では、神経難病を中心とする最新の研究を行い、多発性硬化症、脳炎、脊髄炎、ギラン・バレー症候群、重症筋無力症などの神経免疫疾患に対して、免疫療法(ステロイド療法、免疫グロブリン療法、血液浄化療法、免疫抑制療法など)を駆使した最新の治療を行っております。また、末梢血T・B細胞サブセット、各種血清サイトカイン、各種自己抗体などの測定を行い、疾患の病態とその新たな治療に主眼をおき研究しています。また、学会報告や文献発表なども積極的に行っており、最新の知見をもとに実際の臨床へのフィードバックを実現しております。
神経内科は、対象疾患が多岐にわたり、他科疾患を合併していることが多く、全人的な対応が必要になります。さまざまな治療を含めた管理が必要になり、それらを万遍なく習得できるのが当科の売りだと考えています。研修期間中あらゆる患者さんの声に耳を傾け、神経疾患にとらわれず診療をすることで、将来の糧になると思われます。入院患者の内訳は、診療実績をご参照ください。