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放射線治療

2018年6月6日掲載

放射線治療

日本放射線腫瘍学会の認定施設に認定されています。

当センター実施している放射線治療法

  • 通常分割放射線治療
  • 定位放射線照射
    原発性肺癌(Ⅰ期)・転移性肺腫瘍など
    脳内腫瘍病変(転移性脳腫瘍、聴神経腫瘍など)
    脳内動静脈奇形
  • 3次元(3D)放射線治療
  • 化学放射線療法(化学療法との併用)
  • 高線量率小線源治療(子宮頸がん、前立腺がん)
  • 全身照射(骨髄移植)、術中照射

放射線治療とは

放射線治療は外科療法(手術)、化学療法とならび腫瘍・がんの治療における3本柱の一つです。近年の機器の進歩に伴い、体にやさしく、体の機能・形態を温存しつつ、より効果的な放射線治療が可能となっています。高齢者や手術困難な患者さんに対しても積極的な治療を行うことが可能です。腫瘍・がんの治療は外科療法、放射線治療、化学療法を腫瘍の状態に合わせて適切に選択することが重要ですが、その中で放射線治療は定位放射線照射をはじめとする根治的治療(がんを治すことを目的とする治療)から症状緩和を目的とする治療まで幅広い領域を網羅しています。対象疾患は多岐にわたりますので他の診療科と共同で治療にあたることが多く、密接な連携を図りチーム医療を推進して、がんを切らずに治すことを目指し治療を行っています。当放射線治療部は日本放射線腫瘍学会の認定施設に指定され、定位照射("ピンポイント照射")や小線源治療といった高精度放射線治療を積極的に行っています。また近年、危機管理の上で注目されている放射線治療の精度管理に関しては国内で数少ない放射線治療品質管理室を有し、精度の高い放射線治療を提供しています。当センター内の診療科に加え、近隣の医療機関とも密接に連携をとり、放射線治療を実施しています。

対象疾患

  • 悪性腫瘍:脳腫瘍、頭頸部腫瘍(喉頭がんなど)、肺がん・縦隔 腫瘍、食道がん、乳がん、大腸がん、胆道・膵臓がん、婦人科腫瘍(子宮頸がん、膣がんなど)、泌尿生殖器腫瘍(前立腺がん、膀胱がんなど)、皮膚がん、悪性リンパ腫、骨軟部腫瘍、等(疾患によって放射線治療のみで治療を行うもの、定位照射を行うもの、化学療法との併用で行うもの、術前治療、術後治療行うものなど治療内容が異なります)
  • 化学療法との併用で治療が行われる疾患:肺がん、食道がんなど
  • 良性疾患:ケロイド(術後照射)、甲状腺眼症、脳動静脈奇形(定位照射)
  • 症状緩和:骨転移(脊髄圧迫含む)、脳転移、再発腫瘍、腫瘍による上大静脈症候群、等

具体的な対象疾患の説明を下記にお示しします。

  1. 頭頸部腫瘍(特に早期喉頭がん)
    頭頸部癌では形態温存が可能で放射線治療のよい適応となります。外来通院で治療が可能であり、治療後は通常の発声が保たれます。
  2. 乳がん
    乳房温存療法の中で放射線治療が用いられます。小さな手術の後、残った乳腺に対して放射線治療を行います。放射線治療を行うことで乳房内の再発を大きく減らすことができます。治療は外来通院で行われます。
  3. 肺がん
    放射線治療が主体で治療が行われる場合、化学療法(抗がん剤)との併用で放射線治療が行われることが一般的です。
  4. 肺がん(定位放射線照射)
    がん病変にピンポイントに照射することで治療を行います。小さな照射野を用いて、5-8方向から3次元的に放射線をがん病変局所に集中させ治療を行います。さらに患者さんの呼吸の動きによる誤差を抑えて治療を行います。通常3cm以下の肺がん、転移性肺腫瘍なども対象となります。
  5. 食道がん
    近年、化学療法との併用で良好な治療成績が得られています。早期食道がんは放射線治療と化学療法の併用で治すことが可能です。
  6. 前立腺がん
    近年、ホルモン療法に加え局所的な放射線治療を併用する治療が一般的となっています。多方向から前立腺に放射線を集中させ治療を行います。さらに外部照射と組織内照射(192Irを用いた高線量率小線源治療)を適応を選んで行っております。
  7. 子宮頸がん
    通常の放射線治療に加えて子宮の内側からの局所的な照射を行う小線源治療(腔内照射)を組み合わせて治療を行い、手術に匹敵する治療効果が得られます。
  8. 骨転移
    骨転移による疼痛症状を和らげる照射効果が80%以上で得られます。鎮痛剤の使用も含め総合的にがん性の痛みに対して治療を行っています。
  9. 脳転移
    定位照射、外部照射により病変や病状に合わせた治療を行っています。
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