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甲状腺眼症の外眼筋腫大と甲状腺自己抗体の関連

2025年5月13日更新

  1. 1.背景

     甲状腺眼症は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症(橋本病)の患者さんに、眼瞼が腫れたり、眼を動かす外眼筋が腫れて物がだぶって見えたり(図)、脂肪組織が増えて眼球が突出したりする病気です。
    甲状腺眼症は自己免疫疾患の1つで、体の中に自己抗体ができて、甲状腺と眼の両方の組織に作用して症状がでます。甲状腺に関連した自己抗体として、抗TSH 受容体抗体 (TRAb)、甲状腺刺激抗体(TSAb)、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(ATPO)、抗サイログロブリン抗体(ATG))の4つが知られています。
    4つのうち、甲状腺眼症と関連があるのはTRAbとTSAbと言われていますが、どちらが有用かという研究結果は報告により様々です。そこで、外眼筋の厚さを測定し、外眼筋腫大と4つの甲状腺自己抗体やその他の因子との関連を調べることにしました。
    図 左眼の下直筋と内直筋が腫大しています(矢印)
  2. 2.研究成果

     甲状腺眼症の患者さん41例のTSAbの陽性率は92.7%で他の自己抗体に比べてもっとも高いという結果でした。外眼筋の厚さの合計および腫大した筋の数と関連があった因子は、高齢であることと高いTSAb値でした。TSAbを測定することが外眼筋腫大を診断するのにもっとも有用だと考えられました。
  3. 3.論文・学会発表

     論文:
    Koizumi T, Tanaka T, Umeda K, Komiyama D, Obata H: Correlation between extraocular muscle enlargement and thyroid autoantibodies in thyroid eye disease. Jpn J Ophthalmol 68:250-258, 2024

埼玉医科大学総合医療センター 眼科

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