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2023年5月9日更新

ご挨拶

病理部では、病理組織診断、術中迅速診断、細胞診、病理解剖を行っています。また、FISH、PCRといった、分子病理学的な検索もおこなっています。

これらの業務をとおして患者さんに正確で質の高い医療を提供することがわたしたちのミッションです。

当科の診療について

患者さんから採取された組織や細胞をおもに顕微鏡をもちいて観察、検索し診断するのが病理診断です。対象はほぼ全ての悪性腫瘍(脳腫瘍、口腔癌、食道癌、胃癌、肺癌、大腸癌、肝癌、乳癌、胆嚢癌、膵癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、骨軟部腫瘍、血液腫瘍など)、良性腫瘍と炎症性疾患など非腫瘍性疾患です。病理診断科の診療は大きく以下のように分けられます。

a.組織診断
病変の一部を採取して標本にします。この検査を「生検(せいけん)」といいます。また、手術で切除された検体の診断では、どのような病変がどれくらい進行しているか、手術でとりきれたのか、追加治療の必要性があるのかなど術後の治療に必要な診断を行います。近年は分子標的治療薬の適応を決定するために病理検体が用いられ、病理診断の重要性がさらに増しています。
b. 細胞診
体内で自然に剥がれた細胞を痛みの少ない方法で採取し、顕微鏡で診断します。繰り返し採取・診断できる利点があります。細胞診は細胞検査士の資格を有する臨床検査技師が判定し、細胞診専門医が診断します。胸水や腹水など貯留した体液中の腫瘍細胞を診断することができます。
c. ゲノム・遺伝子診断
病変から採取された検体を用いて、遺伝子、染色体の検査を行います。また、ゲノム診療科をはじめとする他の診療科と協力し、がんゲノム医療の一端を担っています。 
d. 病理解剖
不幸にして亡くなられた患者さんについて、生前の診断は正しかったのか、治療効果はどの程度あったのかなどを判断します。主治医が御遺族に病理解剖の必要性と意義を説明し、御了解頂いた場合に病理解剖を行わせて頂きます。大きくは医療の発展に資する行為であり、小さくは私たち医療者の診療技術の向上に貢献します。病理解剖の結果は主治医から御遺族に説明します。

私たちは患者さんと直接に接する診療はありませんが、単に標本を診断するのではなく患者さんを診断するということを常に意識して診療しております。

診療実績

2021年1月~12月
組織診
院内 12,234
院外 156
合計 12,390
術中迅速診断
院内 549
院外 3
合計 452
細胞診
院内 10,314
院外 0
合計 10,314
剖検(病理解剖)
院内 12
院外 0
合計 12

診療スタッフ

氏名 資格 職位 専門分野 認定資格
東 守洋
(ひがし もりひろ)
病理部スタッフ
教授 研究主任
教育副主任
診療部長
病理診断
血液病理
病理専門医
分子病理専門医
病理専門医研修指導医
臨床研修指導医
医学博士
百瀬 修二
(ももせ しゅうじ)
病理部スタッフ
教授 研究副主任
教育主任
診療副部長
病理診断
血液病理
分子病理
病理専門医
分子病理専門医
病理専門医研修指導医
臨床研修指導医
医学博士
山下 高久
(やました たかひさ)
病理部スタッフ
講師 研究副主任
教育員
医員
病理診断
泌尿器
病理専門医
泌尿器科専門医
分子病理専門医
臨床研修指導医
医学博士
今田 浩生
(いまだ ひろき)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
細胞診
病理専門医
細胞診専門医
分子病理専門医
菊地 淳
(きくち じゅん)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
細胞診
病理専門医
細胞診専門医
臨床研修指導医
医学博士
高柳 奈津子
(たかやなぎ なつこ)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
血液病理
病理専門医
医学博士
病理専門医研修指導医
村上 千明
(むらかみ ちあき)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
細胞診
病理専門医
分子病理専門医
医学博士
永田 真莉乃
(ながた まりの)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
細胞診
病理専門医
分子病理専門医
医学博士
沢田 圭佑
(さわだ けいすけ)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
口腔病理
口腔病理専門医
分子病理専門医
医学博士
山崎 真美
(やまざき まみ)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
口腔病理
口腔病理専門医
臨床研修指導医
歯学博士
清水 朋実
(しみず ともみ)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
細胞診
専攻医
菊地 由季菜
(きくち ゆきな)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
病理診断
細胞診
専攻医
山本 渉
(やまもと わたる)
病理部スタッフ
助教 教育員
研究員
医員
悪性リンパ腫
血液内科学一般
血液専門医
総合内科専門医
医学博士
新井 栄一(兼担)
(あらい えいいち)
病理部スタッフ
教授
森 隆(兼担)
(もり たかし)
病理部スタッフ
教授
糸山 進次
(いとやま しんじ)
病理部スタッフ
名誉教授
客員教授
病理診断
骨髄病理
病理専門医
病理専門医研修指導医
医学博士
田丸 淳一
(たまる じゅんいち)
病理部スタッフ
名誉教授
客員教授
病理診断
悪性リンパ腫
血液病理
病理専門医
病理専門医研修指導医
臨床研修指導医
医学博士
黒住 昌史
(くろずみ まさふみ)
病理部スタッフ
客員教授 病理診断
乳腺病理
病理専門医
臨床検査専門医
病理専門医研修指導医
細胞診専門医
日本臨床細胞学会教育研修指導医
岸 宏久
(きし ひろひさ)
病理部スタッフ
客員准教授 病理診断
頭頸部
病理専門医
病理専門医研修指導医
臨床研修指導医
細胞診専門医
日本臨床細胞学会教育研修指導医
医学博士
元井 紀子
(もとい のりこ)
病理部スタッフ
客員准教授 病理診断
呼吸器
病理専門医
病理専門医研修指導医
臨床研修指導医
細胞診専門医
日本臨床細胞学会教育研修指導医
医学博士
岡 輝明
(おか てるあき)
病理部スタッフ
非常勤講師 病理診断
呼吸器
病理専門医
細胞診専門医
中澤 温子
(なかざわ あつこ)
病理部スタッフ
非常勤講師 病理診断
小児病理
病理専門医
病理専門医研修指導医
臨床研修指導医
細胞診専門医
日本臨床細胞学会教育研修指導医
医学博士
久米 絢子
(くめ あやこ)
病理部スタッフ
非常勤医師 病理診断 病理専門医
細胞診専門医
医学博士
伊藤 梢絵
(いとう こずえ)
病理部スタッフ
大学院生/非常勤医師 病理診断
細胞診
病理専門医
分子病理専門医
細胞診専門医
臨床研修指導医

外来担当医表

病理部
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木曜日
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金曜日
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土曜日
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医療機関の方へ

埼玉医科大学総合医療センター病理部における年間の病理診断件数は1万2千件、細胞診1万件、病理解剖30体前後と豊富で、で扱う検体も各診療科の要望に応えるべく多岐にわたります。常勤病理医は15名(病理専門医10名、口腔病理専門医2名)、臨床検査技師15名(細胞検査士14名、うち認定病理検査技師1名)で診療にあたっています。非常勤医師として骨髄、腎、小児、呼吸器、血液の各分野の専門家を招聘し、難しい症例や希少な症例について常時コンサルテーションを得られる体制を整えています。臨床各科とのカンファレンスも充実し、臨床経過と画像所見、病理診断を臨床医とともに総合的に議論しています。

私たちは他施設で病理診断が行われ、その診断結果により埼玉医科大学総合医療センターを紹介受診される患者さんの病理診断も積極的に行っています。医療機関の皆様におかれましては、当院から病理標本やブロックの貸出依頼がある際には、何卒御理解・御協力を賜りますよう御願い申し上げます。

教室のテーマは、主に悪性リンパ腫をはじめとする血液疾患の病理診断と研究です。分子病理学に精通した病理専門医と分子病理に習熟した複数の臨床検査技師が在籍している点が強みです。

診療と研究に加え、教育にも力を入れています。埼玉医科大学医学生の実習、他施設医療学部の学生実習と当医療センター初期研修医の研修を受け入れています。病理専門医の育成とスタッフ教育も積極的に行っています。最近は、これまでの研修が実を結び、病理専門医、細胞診専門医、分子病理専門医などに合格する病理医を毎年輩出しています。また、社会人大学院生として在籍する病理医も複数人いて、診療と研究の両方が可能です。

私たちの教室では総合病院の特徴を生かし、豊富な症例と多彩な専門分野の指導医によるコンサルテーションを得ることが可能です。これから病理医を目指す学生や先生方の希望に沿った研修ができます。研修をご希望の学生さん、先生方からのご連絡を教室員一同心よりお待ちしております。

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