電話

呼吸器外科

2024年11月14日更新

予約等の受付方法

完全予約制 予約不要
WEB・FAX紹介 紹介状必須
  • 診療科の連絡先 049-228-3756
  • 初めて受診する患者さんには特に時間をかけた診察とご説明が必要となります。限られた人数の医師で外来診療を行う呼吸器外科では、外来患者さんを長時間お待たせすることを避けるため、緊急処置が必要な重症患者さんを除き、初診患者さんが3名を超えた場合などには混雑状況を考慮して翌日以降の診察をお願いしています。

ご挨拶

肺や気管・気管支、縦隔(心臓や気管の周囲)、胸壁などに出来た腫瘍や炎症など、呼吸器外科領域のすべての疾患に対して、アップデートされた専門的医療を提供しています。体に負担の少ない胸腔鏡下手術や、精密な手術操作が可能なロボット支援下手術を実施しています。患者さんの様々な状況やご希望に応じて、手術以外の内視鏡治療や放射線治療、薬物療法、緩和治療なども、呼吸器内科や放射線科、緩和医療科と連携して行います。

長引く咳や痰などの症状がある、或いは検診などで撮影されたレントゲンやCT検査で胸部に異常陰影を指摘され、専門医の受診を勧められた方は当科を受診してください。

既に他院で治療を勧められているものの、別の治療法の可能性も検討したい方のセカンドオピニオンのご相談も受け付けています。

当科の診療について

肺癌、転移性肺腫瘍、気胸、縦隔・胸壁腫瘍、気管・気管支の狭窄、および外科治療が必要な感染性疾患(肺結核、非結核性抗酸菌症、膿胸、アスペルギローマ) など、心臓・大血管以外の胸部疾患に対して、経験豊富な呼吸器外科医が診療を行います。患者さんご本人・ご家族のご希望を踏まえて最善の治療を提案し、ご相談しながら治療方針を決定いたします。

特に肺癌の診療に豊富な経験を有しています。肺癌は完治させるのが難しい病気の1つですが、全身を調べて癌が肺にとどまっている場合は手術によって治ることが期待できます。当科では気管支鏡検査による病理診断から、術前病期(ステージ)の決定、治療方針のご相談、再発予防のための補助療法、術後の経過観察まで、一貫した診療を行います。手術は小さな穴から病変を切除する胸腔鏡下手術が中心です。また精密な手術操作が可能なロボット支援下手術も行います。これまでは肺葉切除術が標準手術とされてきましたが、小型の肺癌に対しては切除範囲を小さくした区域切除術や部分切除を行います。癌の拡がりが大きい場合は周囲臓器の合併切除を伴う拡大手術で完全切除を目指します。呼吸機能を温存するための気道のインターベンションや、気管・気管支形成術の経験も豊富です。

手術による治療が難しい場合も薬物療法や放射線療法、緩和治療を組み合わせた集学的治療で最善を尽くします。肺癌に対する薬物療法は日進月歩で、分子標的薬剤や免疫チェックポイント阻害剤を含めた様々な薬剤が使用され、治療効果が高まっています。患者さんから採取した肺癌の組織を用いてEGFRなどの遺伝子やPD-L1蛋白質の状態を調べ、使用する薬剤を選択する個別化治療を積極的に実施しています。

対象疾患

肺癌:
体への負担が少ない胸腔鏡下手術を標準としていますが、ロボット支援下手術も実施しています。肺葉切除の他、小さな肺癌に対しては区域切除や部分切除術も行います。進行肺癌に対しては、気管・気管支形成術や血管形成術も行って極力肺を残して術後の生活に支障がないように努めています。また、周囲臓器に癌が浸潤した場合にも、周辺臓器を合併切除すること(拡大手術)で癌を取りきることが出来る場合もあります。EGFRなどの遺伝子やPD-L1蛋白質の状態を調べ、再発を予防するための術前や術後の補助薬物療法も実施しています。
転移性肺腫瘍:
大腸癌や肉腫などの悪性腫瘍の治療経過中、腫瘍細胞が血管内に入り込み肺にたどり着いて、転移性肺腫瘍を形成することがあります。主診療科と連携を取り、診断や治療の目的で切除します。
良性肺腫瘍:
癌ではない良性肺腫瘍の中には、大きくなって咳や呼吸苦などの原因となるものがあります。診断の確定や治療の目的で切除をお勧めすることがあります。
悪性および良性の気管・気管支狭窄:
癌や結核など、様々な原因で空気の通り道である気管や気管支が狭くなり、呼吸が苦しくなることがあります。狭くなった気道を広げる治療の分野において、当施設は全国有数の専門施設です。気管・気管支再建手術を行うほか、硬性気管支鏡やレーザー治療、ステントなどの気道のインターベンション治療も数多く実施しています。
自然気胸:
肺の表面に小さな穴が開き、肺がしぼんで息苦しさや胸の痛みを感じる病気です。細いチューブを胸腔に入れ、漏れ出た空気を体の外に出して肺を拡げる治療を行います。空気漏れが止まらない場合や再発を繰り返す場合には手術が必要です。胸腔鏡下手術で疼痛の軽減、入院期間の短縮に努めています。
炎症性肺疾患(肺結核、非結核性抗酸菌症、アスペルギローマなど):
薬物治療が効きにくい場合や痰や血痰などの症状がある患者さんには手術が必要となることがあります。
縦隔・胸壁、胸膜腫瘍:
気管や心臓の周囲に出来る縦隔腫瘍(胸腺腫や胸腺癌、奇形腫、胚細胞性腫瘍、神経原性腫瘍など)や胸壁腫瘍、胸膜腫瘍(中皮腫など)には良性から悪性のものまで様々な種類があり、治療や診断のために手術を行います。腫瘍の大きさや部位などにより、胸腔鏡下手術やロボット支援下手術を積極的に選択しています。難病の重症筋無力症と関連して発生する胸腺腫に対する治療経験が豊富です。脳神経内科と綿密に連携をとり手術を行います。
膿胸:
細菌感染などが原因で炎症を生じ、肋骨で囲まれた胸腔内にうみが溜まった状態が膿胸です。発熱や胸痛、呼吸苦などの症状を伴います。うみを出すための処置や手術が必要です。

対象となる症状

外科治療が必要となる肺癌や縦隔腫瘍の多くは症状がありません。健康診断や検診で胸部異常陰影を指摘された方は当科を受診してください。また、長引く咳や痰、胸痛や呼吸苦を自覚し、クリニックや病院で呼吸器外科の受診を勧められた方もご来院ください。

診療実績

2023年度手術症例数(うちロボット支援下手術は64例)
疾患名 症例数
原発性悪性肺腫瘍(肺癌) 154
転移性肺腫瘍 14
良性肺腫瘍 1
胸膜腫瘍 1
胸壁腫瘍 1
縦隔腫瘍 24
炎症性肺疾患 9
膿胸 8
嚢胞性肺疾患 1
気胸 49
胸部外傷 1
その他 5
268

診療スタッフ

氏名 資格 職位 専門分野 認定資格
河野 光智
(こうの みつとも)
呼吸器外科スタッフ
教授 診療部長 呼吸器外科全般 日本外科学会専門医 指導医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医
がん治療認定機構認定医
羽藤 泰
(はとう たい)
呼吸器外科スタッフ
准教授 研究主任 呼吸器外科全般
ロボット支援下・低侵襲手術
日本外科学会専門医 指導医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会専門医
ロボット支援下手術プロクター(Intutive)
胸腔鏡安全技術認定医
福田 祐樹
(ふくだ ひろき)
呼吸器外科スタッフ
講師 外来医長
教育主任
研修主任
呼吸器外科全般
ロボット支援下・低侵襲手術
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科専門医・指導医
日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医
がん治療認定機構認定医
ロボット支援下手術コンソール外科医(Intutive)
井上 慶明
(いのうえ よしあき)
呼吸器外科スタッフ
助教 病棟医長 呼吸器外科全般 日本外科学会専門医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医
ロボット支援下手術コンソール外科医(Intutive)
杉山 亜斗
(すぎやま あと)
呼吸器外科スタッフ
助教 呼吸器外科全般 日本外科学会専門医
日本呼吸器外科専門医
山口 雅利
(やまぐち まさとし)
呼吸器外科スタッフ
助教 呼吸器外科全般 日本外科学会専門医
鹿島田 寛明
(かしまだ ひろあき)
呼吸器外科スタッフ
助教 呼吸器外科全般
儀賀 理暁
(ぎか まさとし)
呼吸器外科スタッフ
教授(緩和医療科兼担) 緩和ケア推進室室長 呼吸器外科全般 日本外科学会指導医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医
がん治療認定機構認定医
日本緩和医療学会暫定指導医
中山 光男
(なかやま みつお)
呼吸器外科スタッフ
客員教授 呼吸器外科全般
気管気管支外科
日本外科学会専門医 指導医
日本胸部外科学会指導医
日本呼吸器外科学会指導医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医
がん治療認定機構認定医
青木 耕平
(あおき こうへい)
呼吸器外科スタッフ
非常勤講師 呼吸器外科全般
ロボット支援下・低侵襲手術
日本外科学会専門医 指導医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医
がん治療認定機構認定医
ロボット支援下手術コンソール外科医(Intutive)

外来担当医表

呼吸器外科
  月曜日
Monday
火曜日
Tuesday
水曜日
Wednesday
木曜日
Thursday
金曜日
Friday
土曜日
Saturday
午前
初診

再診
羽藤 泰
(Hatou Tai)
福田 祐樹
(Fukuda Hiroki)
山口 雅利
(Yamaguchi Masatoshi)
河野 光智
(Kono Mitsutomo)
井上 慶明
(Inoue
Yoshiaki)
(交代制)



鹿島田 寛明
(Kashimada
Hiroaki)
杉山 亜斗
(Sugiyama Ato)

専門外来






午後
専門外来






医療機関の方へ

当科では、肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸、胸部外傷、膿胸、気管・気管支狭窄などの疾患を対象に専門的な診療を行っています。各疾患ともに手術療法が主体であり、標準術式はもとより、難易度の高い手術とされている気管気管支再建術や血管形成術を駆使した機能温存手術、左房や胸壁などを合併切除する拡大手術、胸腔鏡を用いた低侵襲手術など様々な手術を施行しています。

主な対象疾患は肺癌を始めとする悪性腫瘍ですが、腫瘍性疾患のみならず炎症性疾患(気管気管支結核、膿胸、非結核性抗酸菌症、アスペルギローマなど)の手術症例も多く手掛けています。埼玉県中西部の中核施設として総合病院の強みを生かし、合併疾患を有する症例も含め、他施設では治療に難渋する症例の手術も数多く行い、合併症の発生率、治療成績ともに良好な結果を残しています。さらに、気管・気管支疾患は、専門施設として近隣都県からも患者さんをご紹介いただき、気管気管支再建手術、YAGレーザー治療、ステント治療など最先端の治療を行っています。

当院では、呼吸器外科、呼吸器内科いずれの診療科を受診して頂いても、外科医、内科医、放射線科医などが集結し、すべての初診患者さんを対象に正確な診断のもと、最適な治療戦略を策定し、最も相応しい診療科で治療を行います。手術が必要な場合には呼吸器外科が、外科的治療の適応がない場合には呼吸器内科が治療を行いますので、胸部X線写真や胸部CTで異常陰影を認め、専門医の診察が必要とお考えの際には、手術適応の有無にかかわらず当科にご紹介いただければ幸いです。

当院には大学として、診療、教育、研究という3つの大きな役割があります。当科でも、教育面では、医学知識や手術手技の習得に加えてコミュニケーション能力や倫理観を育て、安全で確実な医療を提供する呼吸器外科専門医を育成しています。
 研究面では、臨床に直結した研究、先進的な医療に結びつく研究を推進し、研究者の育成に努めています。そのうえで、診療、教育、研究のバランスを保ちながら、安全で質の高い国内最高レベルの医療を常に目指し、患者さん一人一人の病状に応じたきめ細かな医療を実践して中核施設として地域医療にも貢献しています。
 このような環境の中で、専門医および学位の取得、留学経験などを目指したいとお考えの研修医の先生方は一度ご連絡ください。歓迎いたします。

埼玉医科大学バナー 埼玉医科大学看護学校バナー