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臓器移植センター

2022年5月19日更新

ご挨拶

埼玉医科大学総合医療センターにおける臓器移植は、1999年から行われている腎移植が主たる移植でありましたが、2017年に臓器横断的な移植センターとして、臓器移植センターが設立されました。臓器の種類を問わず移植医療には、手術前の免疫学的な診断、手術前から手術後の免疫抑制剤の種類と投与方法、生体ドナーの評価や安全性の確保、生体移植の倫理的な問題など、多くの共通するテーマがあります。これらのことを一元的に管理する当センターは、患者様にとっても多くのメリットがあります。

当センターでは、生体腎移植、献腎移植、生体肝移植、膵臓移植、膵腎同時移植を実施しています。
臓器移植医療は、さまざまな診療科の医師のみならず、コーディネーター、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床工学士、理学療法士、臨床心理士などのさまざまな職種の人たちと連携を取りながら、実施していく必要があります。当センターは、腎、肝、膵などの臓器移植を東京大学や名古屋大学、米国マイアミ大学などで豊富に経験しているスタッフとともに、埼玉医科大学総合医療センターの全職種と連携し、患者様主体の移植医療を推進してまいります。

当科の診療について

肝移植術
劇症肝炎や末期肝硬変、肝腫瘍などで従来の治療法では救命が困難とされる場合は、肝移植術の適応となります。肝移植術には、脳死に陥った方から、ご本人の生前の意思もしくはご家族の同意によって提供していただいた肝臓を移植する脳死肝移植と、健康なご家族もしくは親族の方から肝臓の一部を提供していただく生体肝移植があります。
肝移植術は1年生存率(移植から1年の後に生存している確率)が約90%とされており、他の臓器移植と比較してもリスクの高い医療行為です。当センターでは2018年より生体肝移植術を行なっており、肝移植の成績と安全性を向上させるために、常に評価・改善を進めております。
膵移植・膵腎同時移植術
1型糖尿病のため、低血糖など血糖コントロールが困難な方や腎不全に陥った方は、膵臓移植や膵腎同時移植の適応となる可能性があります。当センターは、全国で18施設ある脳死膵臓移植・膵腎同時移植術の実施施設のひとつとして認定されています。当センターのスタッフだけでなく、膵臓移植中央調整委員会や膵臓移植実務者委員会などの全国組織の協力の下に膵臓移植・膵腎同時移植術を行ない、移植後の成績と安全性を高めています。
生体腎移植・献腎移植術
末期腎疾患や腎不全の方には腎移植術が最善の治療法です。腎移植は亡くなった方からご本人の生前の意思もしくはご家族の同意によって提供いただいた腎臓を移植する献腎移植と、健康なご家族もしくは親族の方から片方の腎臓を提供していただく生体腎移植があります。当センターでは、生体腎移植、献腎移植とも腎高血圧内科・血液浄化センター、泌尿器科、肝胆膵外科からなる合同チームで取り組んでいます。特に献腎移植においては、埼玉県内では登録者数が最も多く、最も活発な施設となっています。

対象疾患・対象となる症状

生体肝移植
  • 肝硬変症 (B型肝硬変、C型肝硬変、アルコール性肝硬変、自己免疫性肝硬変、非B非C肝硬変)
  • 胆汁うっ滞性疾患(原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、バイラー病、カロリー病、胆道閉鎖症(BA))
  • 劇症肝炎
  • 代謝性疾患(α1-アンチトリプシン欠乏症、ヘモクロマトーシス、ヘモジデローシス、ウィルソン病、糖原病、高シトルリン血症、その他)
  • 肝臓腫瘍(肝癌(原発性、転移性)、良性腫瘍)
  • その他(バッドキアリー症候群、先天性肝線維症など)
腎移植
  • 慢性腎不全で人工透析(血液透析、腹膜透析)を受けられている方
    透析開始前の方も適応となる場合があります。詳しくは当院血液浄化センター腎移植外来(予約制)までご相談下さい。
膵臓・膵腎同時移植
  • 1型糖尿病
 

診療実績(2022年3月現在)

臓器移植ネットワーク当院待機者数
術式 待機者数
膵腎同時移植 8
膵単独移植 1
腎移植 318
手術実績
術式 症例数
生体肝移植 5
生体腎移植 14
膵腎同時移植 1
膵単独移植 1
献腎移植(脳死下) 6
献腎移植(心停止下) 29

移植医療の情報

公益社団法人 日本臓器移植ネットワーク

診療スタッフ

役職 氏名 所属
センター長 別宮 好文(べっく よしふみ) 肝胆膵外科・小児外科
副センター長 牧 章(まき あきら) 肝胆膵外科・小児外科
管理運営委員 長谷川 元(はせがわ はじめ) 腎・高血圧内科
名越 澄子(なごし すみこ) 消化器・肝臓内科
山本 晃士(やまもと こうじ) 輸血部
小山 薫(こやま かおる) 麻酔科
小川 智也(おがわ ともなり) 腎・高血圧内科
岩下 山連(いわした たかつぐ) 腎・高血圧内科
駒込 昌彦(こまごめ まさひこ) 肝胆膵外科・小児外科
二宮 理貴(にのみや りき) 肝胆膵外科・小児外科
コーディネーター 堀野 いずみ(ほりの いずみ) 埼玉県臓器移植コーディネーター
新村 晶子(にいむら あきこ) 看護部
櫻井 悦夫(さくらい えつお) 臓器移植センター

外来担当医表

臓器移植センター
  月曜日
Monday
火曜日
Tuesday
水曜日
Wednesday
木曜日
Thursday
金曜日
Friday
土曜日
Saturday
午前
浄化ユニット
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
専門外来
腹膜透析
清水 泰輔
(Shimizu Taisuke)
腹膜透析
山本 亮
(Yamamoto Ryo)
腹膜透析・在宅血液透析
小川 智也
(Ogawa Tomonari)
腹膜透析・在宅血液透析
小川 智也
(Ogawa Tomonari)
(2.4週)


腎移植
浜田 隆行
(Hamada
Takayuki)
(4週)


透析アクセス
小川 智也
(Ogawa Tomonari)
(1.3週)

腎移植登録
廣瀬 賢人
(Hirose
Kento)
(2週)
河合 雄一郎
(Kawai Yuichiro)
(4週)



腎移植
岩下 山連
(Iwashita Takatsugu)
透析アクセス
清水 泰輔
(Shimizu Taisuke)

午後
浄化ユニット
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
腎・高血圧内科
担当医
専門外来
腎移植
岩下 山連
(Iwasita Takatsugu)
(2週・4週)


透析アクセス
小川 智也
(Ogawa Tomonari)
透析アクセス
東原 宜之
(Tohara Nobuyuki)
瀬尾 明彦
(Seo
Akihiko)




透析アクセス
肥田 徹
(Hida Toru)
佐野 達郎
(Sano
Tatsuro)
金子 修
(Kaneko
Osamu)


教育外来
腎不全療法
腎不全療法
腎不全療法

腎不全療法
腎不全療法

医療機関の方へ

当臓器移植センターの移植相談は生体肝移植および膵臓移植は肝胆膵外科外来で、腎臓移植は血液浄化センター腎移植外来にて受け付けています。

肝移植
当院では、2018年より生体部分肝移植術を実施しております。生体部分肝移植が適さない場合は、脳死肝移植実施施設に紹介させていただきます。肝移植外来は、月曜日、火曜日もしくは木曜日の午前中に外科外来にて受け付けています。担当医は別宮好文(木曜日)、牧 章(火曜日)、駒込昌彦(月曜日)となっています。緊急の場合は月~土曜日9:00~17:00は外科外来049-228-3618に夜間・休日は049-228-3595にご連絡をいただき、肝胆膵外科担当医に取り次いでいただくようお願いします。
腎移植
生体腎移植、献腎移植とも腎高血圧内科・血液浄化センター、泌尿器科、肝胆膵外科からなる合同チームで取り組んでいます。臓器移植センターの開設によって、今まで以上に積極的に取り組んでいく所存であり、御施設からの紹介を頂戴できると幸いです。腎移植に関するご相談は、小川智也(血液浄化センター長)原宏明(血液浄化センター外来医長)を中心に腎高血圧内科医師にて対応いたします。すべて予約制となっておりますので、血液浄化センター 049-228-3523 までお電話ください。
膵臓移植
膵臓および膵腎同時移植術は1型糖尿病の方が対象となります。糖尿病の評価についても当院内分泌糖尿病内科の協力の下に実施しています。膵臓および膵腎同時移植外来は、火曜日もしくは木曜日午前中に外科外来にて受け付けています。担当医は別宮好文(木曜日)、牧 章(火曜日)となっています。
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