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外来化学療法センター

2024年6月17日更新

ご挨拶

抗がん薬治療は、手術や放射線と並んで、がんの三大治療法の1つとなっています。近年、新たな抗がん薬の開発や有効な抗がん薬の組み合わせ、副作用を抑える支持療法などの進歩により、患者さんは従来の生活を保ちながら外来で抗がん薬治療を受けることができるようになりました。

埼玉医科大学総合医療センターでも、質の高い抗がん薬治療を提供することを目的として2006年10月、外来化学療法室を開設しました。2007年1月には地域がん診療連携拠点病院に指定され、標準的がん治療の提供や地域との医療連携を強化すべく取り組んでいます。2008年6月には、15床に増床しました。2017年8月には外来化学療法センターとしてリニューアル・オープンし、40床に増床し、機能の面でも充実が図られました。

外来化学療法センタースタッフ一同、医師、看護師、薬剤師がそれぞれの専門性を活かし、安全な医療を提供できるよう、一丸となって努力しています。

外来化学療法センターの概要

場所 本館3階
主な設備 リクライニングチェア 38床(暗室内2床を含む)※全てテレビ付き
ベッド 2床
診察説明室 5部屋
その他,車いす対応トイレ,オストメイト用トイレあり
時間 月曜日から土曜日(日曜日・祝祭日・年末年始を除く)
8時30分から17時30分まで
場所
場所
配置図
配置図
リクライニングチェア
リクライニングチェア
ベッド
ベッド

スタッフ紹介

医師 専任1名、その他各科担当医
看護師 20名
薬剤師 8名
管理栄養士 1名

主なスタッフ(2024年5月現在)
医師 石田 秀行 センター長(消化管・一般外科 診療部長・教授)
日本外科学会 指導医・専門医・認定医
日本消化器外科学会 指導医・専門医・日本消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会 指導医・専門医がん治療認定医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
看護師 伊藤 美香 看護部師長
看護師 一條 香織里 看護部主任
看護師 島田 ひろ美 日本看護協会 がん化学療法看護認定看護師
薬剤師 大矢 浩之 薬剤部係長
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師
日本緩和医療薬学会 緩和医療暫定指導薬剤師
薬剤師 島田 佳実 薬剤部主任
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師
日本臨床栄養協会 NR・サプリメントアドバイザー
薬剤師 森本 真宗 薬剤部主任
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師
日本臨床栄養代謝学会 栄養サポートチーム(NST)専門療法士
管理栄養士 横田 稚子 栄養部係長
日本病態栄養学会 がん病態栄養専門管理栄養士
日本病態栄養学会 病態栄養専門管理栄養士
日本臨床栄養代謝学会 栄養サポートチーム(NST)専門療法士

診療の流れ

受付から診察、外来化学療法センターでの治療、会計までの流れは下図のようになっています。来院から帰宅までスタッフ全員が患者さんに関わっています。

診療の流れ

診療内容

外来化学療法センターの特色

  1. 抗がん薬による治療だけでなく、関節リウマチや炎症性腸疾患などに対する生物学的製剤による治療も行っています。
  2. 様々な種類のがんに抗がん薬治療で対応しており、殺細胞性抗がん薬や分子標的治療薬だけでなく、免疫チェックポイント阻害薬による治療も行っています。
  3. 患者さんが来院してから帰宅するまで、医師、看護師、薬剤師やその他の医療従事者からなるチーム医療を実践しています。

外来化学療法センターを利用する診療科は14診療科あり、543種類の治療法(レジメン)が登録されています(表1)。いずれも、複数診療科の専門医により、治療の妥当性を評価検討した後に登録された標準的治療法です。

対象疾患として、大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、膵臓がん、卵巣がん、子宮体がん、子宮頸がん、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などがあります。詳しくは診療の実績(表2)に記載しています。

よく使用されるレジメンについて患者さん向けのパンフレットを準備しています(図1)。このパンフレットには、治療のスケジュール、治療当日の点滴の種類や投与順序、所要時間、主な副作用の種類と発現時期、自宅での注意事項や生活のアドバイス、緊急時の連絡先などが記載されています。患者日誌(図2)や副作用ごとのパンフレット(図3)も作成し、患者さんが治療内容や副作用を理解し、安全な通院治療を続けていけるようサポートしています。また、がんによる痛みなどの身体症状や気持ちのつらさ、治療に伴う心配事、ご自宅での生活や介護の不安などに対応すべく、2008年8月より「がんの治療と痛みの相談室」という相談窓口を開設しております。ここでは、患者さんやそのご家族からの相談に対して緩和ケアチームと連携を図り、取り組んでいます。

表1.外来化学療法センター治療レジメン数
消化器・肝臓内科 34
消化管・一般外科 96
肝胆膵・小児外科 23
呼吸器内科 62
呼吸器外科 55
血液内科 72
産婦人科 51
ブレストケア科(乳腺科) 66
泌尿器科 43
脳神経外科 5
皮膚科 17
リウマチ・膠原病内科 14
小児科 4
脳神経内科 1
合計(2024年5月現在) 543
図1.患者さん向け説明用パンフレット
患者さん向け説明用パンフレット
図2.患者日誌
患者日誌
図3.副作用ごとのパンフレット
副作用ごとのパンフレット

診療の実績

(1)変遷と利用件数の推移
変遷と利用件数の推移

(2)表2.2023年度実績

悪性腫瘍 件数
大腸がん 1810
乳がん 1468
肺がん 1297
膵がん 905
多発性骨髄腫 733
悪性リンパ腫 614
胃がん 612
尿路上皮がん 540
卵巣がん 461
子宮体がん 276
胆道がん・胆管がん 275
肝細胞がん 263
骨髄異形成症候群 235
前立腺がん 228
腎細胞がん 200
子宮頸がん 164
食道がん 128
悪性黒色腫 95
MSI-H固形がん 52
TMB-H固形がん 27
その他 439
悪性腫瘍以外 件数
関節リウマチ 1370
クローン病 260
全身性エリテマトーデス 233
キャッスルマン病(TAFRO症候群含む) 168
多発血管炎性肉芽腫症・顕微鏡的多発血管炎 117
潰瘍性大腸炎 85
ベーチェット病 85
乾癬 51
血栓性血小板減少性紫斑病・特発性血小板減少性紫斑病 28
強直性脊椎炎 8
全身型若年性特発性関節炎 7
その他のリウマチ性疾患 63

医療機関の方へ

スタッフ一同、地域全体として安全で質の高い医療を患者さんに提供できるよう日々取り組んでおります。ご不明な点に関しましては、各診療科の担当医や外来化学療法センタースタッフにご連絡ください。

患者さんへ

当院では、患者さんと患者さんを雇用する事業所から勤務情報を記載した文書の提出があった場合、以下の対応を行うことが可能です。

  • 就労と療養の両立に必要な情報の提供
  • 情報を提供した後の勤務環境の変化に応じた療法に必要な指導

また、当院では外来腫瘍化学療法診療料1に定められている以下の事項を遵守しています。

  • 専任の医師、看護師又は薬剤師が院内に常時1人以上配置され、本診療料を算定している患者さんから電話等による緊急の相談等に24時間対応できる連絡体制が整備されていること。
  • 急変時等の緊急時に当該患者さんが入院できる体制が確保されていること又は他の保険医療機関との 連携により緊急時に当該患者さんが入院できる体制が整備されていること。
  • 実施される化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し、承認する委員会を開催していること。

ご不明な点に関しましては、各診療科の担当医や外来化学療法センタースタッフにご連絡ください。

電話番号 049-228-3599(外来化学療法センター受付)
月曜日から土曜日(日曜日・祝祭日・年末年始を除く)
8時30分から17時30分まで

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