リウマチ・膠原病内科で診ている疾患は(図1)、本来病原体などから身も守るための免疫反応が、自分自身に対して攻撃が向かうことにより、全身のさまざまな臓器が障害される疾患です。治療ではステロイドが使用されますが、骨粗鬆症、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、緑内障、白内障などさまざまな副作用が伴うことがあります。そのためステロイドは可能な限り減量や中止が理想的です。埼玉医科大学総合医療センターリウマチ・膠原病内科では、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、血管炎症候群などに対して、病状に応じて免疫抑制薬(エンドキサン、ミコフェノール酸、タクロリムスなど)や生物学的製剤(TNF阻害薬、IL-6阻害薬、リツキサン、ベンリスタ、サフネローなど)を併用することでステロイドの減量や中止を目指した医療を実践しています。また肺線維化抑制薬(オフェブ)や補体阻害薬(タブネオス)などの新たな作用機序の薬剤を用いることで病態に応じた治療を実践しています。
リウマチ・膠原病内科の疾患
関節リウマチ
膠原病
- 全身性エリテマトーデス
- 全身性強皮症
- 多発性筋炎/皮膚筋炎
- 混合性結合組織病 など
血管炎症候群
- 高安動脈炎
- 巨細胞性動脈炎
- 顕微鏡的多発血管炎
- 多発血管炎性肉芽腫症
- 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 など
シェーグレン症候群
成人発症Still病
ベーチェット病 など
リウマチ・膠原病疾患の症状
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●全身症状
発熱、関節痛、筋肉痛、体重減少など -
●耳鼻咽喉症状
難聴、鼻づまりなど -
●呼吸器症状
空咳、息切れなど -
●神経症状
中枢神経症状:脳出血、脳梗塞など
多発性単神経炎:しびれや麻痺 -
●皮膚症状
紅斑、紫斑など -
●腎症状
たんぱく尿、血尿、足のむくみなど
上記は一例で症状は多岐にわたります
埼玉医科大学総合医療センター リウマチ・膠原病内科