がん診療ではゲノムの検査を行うことが一般的になってきました。ゲノムの検査は、「がんの個別化治療」を目的とするものと、「がんに罹患しやすい体質への対策」を目的とするものの2種類があります。
「がんの個別化治療」を目的とする検査では、その人のがんで生じている遺伝子の変化を調べます。がんは、遺伝子の変化が積み重なって生じています。遺伝子の変化は同じがんでも個人個人で異なり、抗がん剤での治療の効きやすさにがんの遺伝子変化の情報が参考になることがあります。がん治療の効きやすさに関わる100遺伝子以上のゲノム情報を一度に調べ、個人個人に最適な治療法を探すのが“がん遺伝子パネル検査”です。埼玉医科大学総合医療センターでは図１のように、ゲノム診療科でのがん遺伝子パネル検査実績も増えています。
「がんに罹患しやすい体質への対策」もゲノムの検査が役立つことがあります。家族にがんが多い方、若くしてがんに罹患した方、複数回のがんを経験している方など、がんの遺伝に関するご心配もあるかと思います。遺伝的な体質がわかると、個々に最適な検診などを考えることもあります。当科の専門医や認定遺伝カウンセラーがご相談や検査を担当し、各科の主治医と協力して診療します。
当院は厚生労働省に指定されたがんゲノム医療連携病院です。
埼玉医科大学総合医療センター ゲノム診療科
