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妊娠高血圧症候群における血圧と腎障害に関する研究

2024年4月1日更新

最近は高齢出産の増加や食生活の欧米化、運動不足など生活習慣の変化により、血圧が高い妊婦さんが増加しています。昔は、「妊娠中毒症」と呼ばれていましたが、現在は高血圧や臓器障害が重要視されるようになり、「妊娠高血圧症候群( hypertensive disorders of pregnancy : HDP )」と呼ばれています。

一般的には、病院などで測る血圧が140/90 mmHg以上、家庭血圧だと135/85 mmHg以上を高血圧と呼びます。しかし、妊娠中は血流量が増え、血圧が変化しやすくなるため、診断基準は一般の高血圧とは異なります。上の血圧が140mmHg以上(重症では160 mmHg以上)、あるいは下の血圧が90mmHg以上(重症では110 mmHg以上)になった場合、高血圧と診断します。また、蛋白尿を伴う妊婦さんもおり、厳重な管理が必要になります。

このように、腎障害が関係していることがあり、分娩後も腎障害が続く患者さんもいます。しかし、その原因は、まだ詳細には解明されていません。研究段階では様々な学説がありますが、腎臓の尿細管間質障害の関係については十分な報告がありません。

本研究ではHDPにおける尿細管間質障害の関係について検討しています。対象は血圧が高い妊婦さんです。研究方法ですが、妊娠8ヶ月前後、妊娠10ヶ月前後、産後1ヶ月の計3回、血液検査と尿検査を用います。これらを用いて、血圧と尿中バイオマーカーや、HDP重症度の関係を解析しています。関係を明らかにすることで、HDPが起こる理由や、妊婦さんに役立つ予防法を導くことを目指しています。

学会発表
・第66回日本腎臓学会学術総会、神戸、2023年6月
・55th American Society of Nephrology, Florida, 2022-11

埼玉医科大学総合医療センター 腎・高血圧内科

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