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COVID-19血栓症予防の鍵は炎症!新たな治療法への可能性

2024年4月1日更新

この研究は、COVID-19に関連する血栓症の予防に適切なマーカーが不足している中で、炎症反応がその有望な候補であるかどうかを検討しています。研究では、2021年1月1日から3月30日に当院で入院加療を行ったCOVID-19患者さん32名の中で、軽症例と酸素投与が必要な重症例にわけて、また炎症の代表的なマーカーであるC-反応性蛋白(CRP)の低いグループと高いグループに分けて比較検討しました。 結果として、軽症例と重症例の間に、血栓傾向を示す凝固マーカーに大きな差はありませんでしたが、強い炎症反応を示すCRPの高い群では凝固マーカーの上昇を認めました。また、炎症反応を抑制する、免疫抑制剤を重複して使用した患者のデータでは特異的に凝固マーカーの低値が認められました。

研究では、COVID-19患者の血栓症リスクが炎症の程度と関連している可能性が示唆されています。したがって、炎症の定量的な評価が、患者さんの予後を予測する上で有用である可能性があります。さらに、炎症反応を抑制することがCOVID-19関連の血栓症予防の戦略として考えられます。抗炎症薬やその他の免疫抑制療法が、血栓症の予防にどのように寄与できるかについての検討が今後の課題です。特に、早い段階での炎症の抑制が、患者の病勢の悪化や血栓症の発症を防ぐ可能性があることが考えられます。

論文名:Inflammation as an exacerbation marker and target for prophylaxis against Coronavirus Disease 2019-related thrombosis. Daisuke Ono, Yuko Ohno, Yoshihiko Izumida, Hideaki Ohno, Hideaki Oka, Kyosuke Takeshita. International journal of medical sciences.20(1):136-141. 2023.

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