-
1.背景
リンパ浮腫は心臓まで返るべきリンパの流れが滞ることで生じる難治性の浮腫です。-
従来からのリンパ浮腫の治療の柱として保存療法が行われてきました。
- -圧迫療法(弾性ストッキングやスリーブ、包帯)
- -リンパドレナージ(リンパの流れを刺激するマッサージ)
- -運動療法(リンパの流れを促す軽い運動)
- -スキンケア(皮膚のコンディションを適切に保つ)
- 一方、近年の外科的治療の発展により滞ったリンパの流れを顕微鏡下にバイパスする手術「リンパ管静 脈吻合術 (LVA)」が行われるようになりました。局所麻酔下でも行える低侵襲な手術治療として埼玉医 科大学総合医療センター形成外科・美容外科でも積極的に行っております。従来は手術直後の積極的な 保存療法はむしろ避けるべきとされていましたが、手術の効果を十分に引き出すためには、術直後から 行うべきと考えました。
-
従来からのリンパ浮腫の治療の柱として保存療法が行われてきました。
2.研究成果
LVA を行った患者さんで、術後早期の管理として集中排液(圧迫療法・運動療法)を行った群では、行わな かった群と比べて治療効果が高まることを示しました。
この最新の知見をもとに、当院では LVA+ 集中排液プログラムを行っています (図 1)。手術後はリンパ浮 腫の専門セラピストやリハビリ科と協働し、圧迫療法や運動療法を患者さんの身体状況に応じて適切に行うこ とで治療効果を最大化する治療パッケージを提供いたします3.論文・学会発表
論文名:Onishi F, Tsugu W, Okuda N, Minabe T. Integration of perioperative reduction treatment with lymphaticovenular anastomosis for the management of lower extremity lymphedema. Plastic and Aesthetic Research. 2021; 8: 50. http://dx.doi.org/10.20517/2347-9264.2021.75
埼玉医科大学総合医療センター形成外科・美容外科