くすり (医薬品) は私たちの病気の予防や治療には欠かすことのできない大切なものです。現在使われているくすりは、何年もかけて多くの方々の努力によって創り出されたものですが、残念ながらすべての病気が治るわけではありません。現在も、病気で苦しんでいる多くの患者さんがより良い新しいくすりを待ち望んでいます。そのため、より有効で安全な医薬品を開発していくことが求められています。
くすりの候補物質が発見され、それがくすりとして世に出るためには様々なプロセスをパスする必要があります。新しいくすりの誕生する確率は10,000分の1とも言われ、10年以上の長い歳月を要します。
新しいくすりを患者さんに治療薬として使用するには,厚生労働省の認可が必要です。そのため,少数の健康な方や患者さんにご協力いただいて,安全性や効果を調べる試験を行います。この試験のことを治験と言います。
治験は科学的な方法で行われます。そして,治験に参加される方の人権を尊重して行われます。そのため,治験を行う製薬企業や病院・診療所,医師は国が定めた基準※ を守ることが義務づけられています。その基準に従って,健康な方や限られた条件の一部の患者さんを対象に,治験に用いられるくすりの候補 (治験薬) の安全性や効果などを調べます。
現在,厚生労働省に承認され,使われているくすりはすべて,治験に参加された方のご協力により生まれたものです。治験への参加は自由意志で,患者さんの意思が尊重され,いつでもやめることもできます。また,治験参加中に国内外で新たに発生した副作用情報は速やかに伝えられ,治験に引き続き参加するかを再度判断をすることもできます。
※医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令
現在登録中の治験(がん領域)
承認No | 治験薬名 | 区分 | 開発相 | 対象疾患 | 実施診療科名 | 実施状況 |
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691 | CAPItello-281 | 医薬品 | III | 前立腺癌 | 泌尿器科 | 登録中 |
703 | TAR-200/Cetrelimab | 医薬品/医療機器 | III | 膀胱癌 | 泌尿器科 | 登録中 |
708 | Pirtobrutinib(LOXO-305) | 医薬品 | III | マントル細胞リンパ腫 | 血液内科 | 登録中 |
709 | Niraparib | 医薬品 | III | 乳癌 | ブレストケア科 | 登録中 |
711 | Pirtobrutinib(LOXO-305) | 医薬品 | III | 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 | 血液内科 | 登録中 |
712 | Pirtobrutinib(LOXO-305) | 医薬品 | III | 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 | 血液内科 | 登録中 |
716 | Pirtobrutinib(LOXO-305) | 医薬品 | III | 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 | 血液内科 | 登録中 |
DR-008 | TM5614 | 医薬品 | III | 慢性骨髄性白血病 | 血液内科 | 登録中 |