臨床研究法における「重大な不適合」とは

「重大な不適合」とは、臨床研究の対象者の人権や安全性及び研究の進捗や結果の信頼性に影響を及ぼすものをいう。例えば、選択・除外基準や中止基準、併用禁止療法等の不遵守をいい、臨床研究の対象者の緊急の危険を回避するためその他医療上やむを得ない理由により研究計画書に従わなかったものについては含まない。
なお、実施医療機関の管理者は、当該「重大な不適合」に関する対応の状況等を公表すること。

(「臨床研究法施行規則の施行等について(医政経発0228第1号、医政研発0228第1号、令和4年3月31日改正)」の(14)規則第15条第3項関係より引用)

当院で発生した「重大な不適合」

臨床研究法関係

令和4年3月31日以降、当院で発生した「重大な不適合」について、以下の通り公表します。

研究課題名 急性心不全患者を対象としたエンパグリフロジン製剤の有効性を検討する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験
jRCTs番号 jRCTs031210682
概要 併用禁止薬(SGLT-2阻害剤)を2024年4月9日~4月10日の2日間服用した。
発生理由 ①薬剤部への試験参加連絡用紙が届いておらず、電子カルテに試験患者(治験表示)がされていなかったため、薬剤師がフォシーガ処方時に試験参加を把握できなかった。②研究担当医師ではない医師が試験内容を把握しておらず処方を行ったことが原因。
対応状況等 2024年4月6日より試験薬を服用していたが、4月9日よりフォシーガが処方・服用開始となっていた。4月10日にCRCが処方されていることを発見し、研究責任医師に報告。フォシーガは4月11日より中止となった。4月10日服用後被験者の体調は問題ないことは確認。試験継続は問題ないと判断し、試験薬服用は継続となった。研究責任医師は、本不適合に関して研究代表医師に通知した。
再発防止策 ①今後は、連絡用紙は投与開始日にすぐに薬剤部に提出するように院内事務局に依頼した。②研究担当医師以外の医師に再度試験内容について周知を行うとともに、試験参加中はカルテにSGLT-2阻害剤は併用禁止であることを記載することとした。
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http://isp-sik.sakura.ne.jp/smc/chiken/hec/opt-out/