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呼吸器外科

2023年10月11日更新

ご挨拶

呼吸器外科の運営責任者・診療部長の中山光男です。

当科では胸部の病気で手術が必要な患者さんを中心に診療を行っていますが、手術以外の治療にも精通し、病気の種類や進行具合に応じて適切な治療を選択いたしますので、健康診断で胸部写真に影があると言われた方や、かかりつけ医から肺の専門医の受診を勧められた方は、是非当科を受診してください。胸部の代表的な病気は肺癌ですが、すべての初診患者さんを対象に外科医、内科医、放射線科医など肺癌に関連した専門家が集まり、正確な診断のもと、最適な治療を行っています。

肺癌は治療の難しい病気ですが、比較的早い段階で見つかった場合には手術で治ることも大いに期待できます。癌の進行具合に応じて、早期のものには小さな傷から内視鏡を用いて手術を行う胸腔鏡下手術、やや進行したものには開胸手術で気管支形成術や血管形成術などを駆使して呼吸機能を温存する手術など、安全で体に負担の少ない手術を行っています。
 肺癌は70代、80代に多い病気ですので多くの患者さんが肺気腫などの慢性呼吸器疾患や糖尿病、心臓病などの他の慢性疾患を抱えていますが、総合病院の強みを活かして内科系各科と連携して治療に当たっており、ご高齢の方の肺癌手術でも良好な治療成績を収めています。

また、手術では根治が難しい場合でも、あらゆる治療の可能性を検討したうえで、あきらめることなく最善の治療を行います。私共は常に患者さんとの信頼関係を重視し、患者さんの気持ちに寄り添い、社会的、経済的な要素を考慮に入れた治療を行うよう心がけておりますので、受診の際にお気軽にご相談ください。

また、既に他院で治療を勧められているものの別の治療法の可能性も検討したい方のセカンドオピニオンのご相談も受け付けています。もちろん全てが可能という訳ではありませんが、他院で手術が困難とされた症例でも異なる方法で手術ができる場合があります。

私共に一度ご相談していただけると的確なアドバイスができると思います。

当科の診療について

この度は埼玉医科大学総合医療センター 呼吸器外科のHPをご覧いただき有難うございます。

当センター呼吸器外科では、原発性肺癌・転移性肺腫瘍・気胸・縦隔腫瘍(胸腺腫など)・気管気管支狭窄・炎症および感染性疾患(肺結核、非結核性抗酸菌症、膿胸、アスペルギローマ) など、胸部外科に関する全ての病気を扱っております。診療に当たっては、患者様本人・ご家族の希望を踏まえ最善の治療を提案し、安心・安全の医療が提供できるように常に心がけております。

健診の胸部レントゲン異常をはじめ肺や胸の病気が疑われれば、是非受診していただきたいと思います。不安や症状を取り除き、1日でも早く「いつもの生活」を過ごせるように全力で対応致します。

主な病気に対する当科の特色をお示しします。

原発性肺癌:
CT、MRI、PETおよび気管支鏡検査を用いた厳密な病期診断をもとに、手術を中心に抗癌剤治療と放射線治療を組み合わせた集学的治療を進めています。手術に関しては、早期肺癌には胸腔鏡を用いて小さな傷で行う体に負担の少ない手術を手がけております。進行肺癌においても、気管気管支形成術や血管形成術という技術を駆使し、極力肺を残して術後の生活に支障がないように致します。また、進行肺癌で周囲臓器に癌が浸潤した場合にも、周辺臓器を合併切除すること(拡大手術)で癌を取りきることが出来る場合もあります。
良性および悪性の気管・気管支狭窄:
癌や結核など様々な原因で空気の通り道が狭くなり呼吸が苦しくなる病気があります。この治療分野では当施設は全国有数の専門施設であり、気管気管支再建手術、YAGレーザー、ステントなどの技術を駆使して多くの治療を行っています。
自然気胸:
肺がパンクして息苦しさや胸の痛みを生じる病気です。胸腔ドレーンという管を胸に差し込み肺を拡げる治療を行いますが、空気漏れが止まらない場合や再発を繰り返す場合には手術を行います。胸腔鏡手術で疼痛の軽減、入院期間の短縮に努めています。
炎症性肺疾患(肺結核、非結核性抗酸菌症、アスペルギローマなど):
薬での治療が主体ですが、効きにくい症例も依然多く、そのような場合には手術が行われることがあります。
縦隔腫瘍:
難病の重症筋無力症と関連がある胸腺腫に関しては、多くの治療実績があります。脳神経内科と綿密に連携をとり安全に手術を行います。

対象疾患

  • 肺癌
  • 転移性肺腫瘍
  • 気管・気管支狭窄(きかん・きかんしきょうさく)
  • 自然気胸
  • 炎症性肺疾患(肺結核・非結核性抗酸菌症・アスペルギローマなど)
  • 縦隔腫瘍(胸腺腫・縦隔奇形腫)
  • 胸部外傷
  • 膿胸
 

対象となる症状

外科治療となる肺の病気の多くは症状がありませんので、健康診断で胸部写真に影があると言われた方や、かかりつけ医から肺の専門医の受診を勧められた方は、是非当科を受診してください。

診療実績

2017年 手術症例
疾患名 症例数
全身麻酔手術症例 250
原発性肺癌 120
気胸・嚢胞性疾患 36
転移性肺腫瘍 35
縦隔腫瘍 18
炎症性疾患 14
胸壁・胸膜腫瘍 6
肺良性腫瘍 4
その他 17

診療スタッフ

氏名 資格 職位 専門分野 認定資格
中山 光男
(なかやま みつお)
呼吸器外科スタッフ
教授 診療部長 呼吸器外科全般
気管気管支外科
日本外科学会専門医 指導医
日本胸部外科学会指導医
日本呼吸器外科学会指導医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医
がん治療認定機構認定医
河野 光智
(こうの みつとも)
呼吸器外科スタッフ
教授 呼吸器外科全般 日本外科学会専門医 指導医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医
がん治療認定機構認定医
羽藤 泰
(はとう たい)
呼吸器外科スタッフ
准教授 研究主任 呼吸器外科全般
ロボット支援下・低侵襲手術
日本外科学会専門医 指導医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会専門医
ロボット支援下手術コンソール外科医(Intutive)
胸腔鏡安全技術認定医
福田 祐樹
(ふくだ ひろき)
呼吸器外科スタッフ
講師 外来医長
教育主任
研修主任
呼吸器外科全般
ロボット支援下・低侵襲手術
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医
がん治療認定機構認定医
ロボット支援下手術コンソール外科医(Intutive)
井上 慶明
(いのうえ よしあき)
呼吸器外科スタッフ
助教 病棟医長 呼吸器外科全般 日本外科学会専門医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会専門医
杉山 亜斗
(すぎやま あと)
呼吸器外科スタッフ
助教 呼吸器外科全般 日本外科学会専門医
日本呼吸器外科専門医
山口 雅利
(やまぐち まさとし)
呼吸器外科スタッフ
助教 呼吸器外科全般
鹿島田 寛明
(かしまだ ひろあき)
呼吸器外科スタッフ
助教 呼吸器外科全般
儀賀 理暁
(ぎか まさとし)
呼吸器外科スタッフ
教授(緩和医療科兼担) 緩和ケア推進室室長 呼吸器外科全般 日本外科学会指導医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医
がん治療認定機構認定医
日本緩和医療学会暫定指導医
泉 陽太郎
(いずみ ようたろう)
呼吸器外科スタッフ
客員准教授 呼吸器外科全般
青木 耕平
(あおき こうへい)
呼吸器外科スタッフ
非常勤講師 呼吸器外科全般
ロボット支援下・低侵襲手術
日本外科学会専門医 指導医
日本呼吸器外科専門医
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡指導医
がん治療認定機構認定医
ロボット支援下手術コンソール外科医(Intutive)

外来担当医表

呼吸器外科
  月曜日
Monday
火曜日
Tuesday
水曜日
Wednesday
木曜日
Thursday
金曜日
Friday
土曜日
Saturday
午前
初診

再診
羽藤 泰
(Hatou Tai)
福田 祐樹
(Fukuda Hiroki)
山口 雅利
(Yamaguchi Masatoshi)
河野 光智
(Kono Mitsutomo)
井上 慶明
(Inoue
Yoshiaki)
(交代制)



鹿島田 寛明
(Kashimada
Hiroaki)
杉山 亜斗
(Sugiyama Ato)

専門外来






午後
専門外来






医療機関の方へ

当科では、肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、自然気胸、胸部外傷、膿胸、気管・気管支狭窄などの疾患を対象に専門的な診療を行っています。各疾患ともに手術療法が主体であり、標準術式はもとより、難易度の高い手術とされている気管気管支再建術や血管形成術を駆使した機能温存手術、左房や胸壁などを合併切除する拡大手術、胸腔鏡を用いた低侵襲手術など様々な手術を施行しています。

主な対象疾患は肺癌を始めとする悪性腫瘍ですが、腫瘍性疾患のみならず炎症性疾患(気管気管支結核、膿胸、非結核性抗酸菌症、アスペルギローマなど)の手術症例も多く手掛けています。埼玉県中西部の中核施設として総合病院の強みを生かし、合併疾患を有する症例も含め、他施設では治療に難渋する症例の手術も数多く行い、合併症の発生率、治療成績ともに良好な結果を残しています。さらに、気管・気管支疾患は、専門施設として近隣都県からも患者さんをご紹介いただき、気管気管支再建手術、YAGレーザー治療、ステント治療など最先端の治療を行っています。

当院では、呼吸器外科、呼吸器内科いずれの診療科を受診して頂いても、外科医、内科医、放射線科医などが集結し、すべての初診患者さんを対象に正確な診断のもと、最適な治療戦略を策定し、最も相応しい診療科で治療を行います。手術が必要な場合には呼吸器外科が、外科的治療の適応がない場合には呼吸器内科が治療を行いますので、胸部X線写真や胸部CTで異常陰影を認め、専門医の診察が必要とお考えの際には、手術適応の有無にかかわらず当科にご紹介いただければ幸いです。

当院には大学として、診療、教育、研究という3つの大きな役割があります。当科でも、教育面では、医学知識や手術手技の習得に加えてコミュニケーション能力や倫理観を育て、安全で確実な医療を提供する呼吸器外科専門医を育成しています。
 研究面では、臨床に直結した研究、先進的な医療に結びつく研究を推進し、研究者の育成に努めています。そのうえで、診療、教育、研究のバランスを保ちながら、安全で質の高い国内最高レベルの医療を常に目指し、患者さん一人一人の病状に応じたきめ細かな医療を実践して中核施設として地域医療にも貢献しています。
 このような環境の中で、専門医および学位の取得、留学経験などを目指したいとお考えの研修医の先生方は一度ご連絡ください。歓迎いたします。

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