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2024年1月31日更新

ご挨拶

わたくしども心臓内科は心臓疾患のみならず、末梢血管疾患、生活習慣病を含む循環器疾患全般の診療を担当しております。
2023年10月に新しい体制となりました当診療科では、これまでに標準治療として行ってまいりました狭心症や心筋梗塞といった冠動脈疾患に対するカテーテル治療を基軸に、新たに加わった専門スタッフにより、心不全や不整脈など、さらに多岐にわたる循環器疾患への対応能力を高めています。
また、三次救急を担当する当院の救命科と密に連携し、最近使用可能となった新しい心臓サポート用デバイスを活用し、非常に重篤な状態の患者様の救命に日々取り組んでおります。さらに、大動脈弁狭窄症(TAVI)や僧帽弁閉鎖不全症(マイトラクリップ)といった構造的心疾患に対する低侵襲のカテーテル治療の開始に向け、心臓血管外科とともに現在鋭意準備中であります。関連病院である埼玉医科大学国際医療センター(日高)は心臓移植施設であり、関係性の強化により最重症の心不全患者様の対応もスムーズに行えるようになりました。

大学病院のもうひとつの役割としての研究教育について、全国の大学病院および大規模病院の循環器内科とのコミュニケーションを積極的に行なっており、多数の大規模多施設前向き臨床試験に参加しており、コンスタントに学会発表および論文執筆を継続しております。また、毎朝ジャーナルクラブを開催し、最新論文の紹介を通じて常に知識のアップデートを行なっております。

2024年4月には、新たに6名の新入局員を迎えることとなり、24時間365日、高度の循環器医療の提供がより充実することになります。大幅な増員により、新たに導入される医師の働き方改革にも対応可能です。今春には埼玉県内のハイボリュームセンターへの人員派遣と、川越市内への非常勤医師派遣を予定しており、これまで以上に地域の患者様が安心して生活できる体制を提供できるようになります。
新しく、活気のあるわたくしたちの心臓内科に注目していただき、安心して受診、ご相談いただきますようお願い申し上げます。

診療部長 重城 健太郎

当科の診療について

心臓内科は心臓病の診断と治療を担当しています。胸が重苦しい・痛い・圧迫される、動くと息切れが強い、急に脈が速くなったり飛んだりするなどの症状をお持ちの方は外来をご受診ください。またむくみがひどいけれど原因が分からない方、眼前が暗くなり意識が遠のいたりする発作がある方も心臓病の可能性があります。一度、外来でのチェックをお勧めします。初めて予約なしで受診される方は、月曜日から金曜日の午前11時までに受付をお済ませください。

外来に初めて来られた方は心電図、胸部X線検査、採血、その他の特殊検査を必要に応じて行います。その上で心臓カテーテル検査が必要な場合には、入院の上検査を実施して診断をします。その結果、薬の内服治療だけでよいのか、カテーテル治療や手術が必要なのかを判断し、カテーテル治療は心臓内科で実施いたします。外科手術が必要な場合には、当センターの心臓血管外科に紹介いたします。不整脈に対するペースメーカー・植込み型除細動器、心不全に対する両心室ペースメーカーの植込手術は心臓内科で実施しています。

急性心筋梗塞や不安定狭心症などは緊急治療が必要で、緊急入院の多くがこれらの虚血性心疾患によるものです。胸の重苦しさ・痛み・圧迫感などが30分~1時間以上持続する場合には急性心筋梗塞の可能性がありますので、救急車での来院をお勧めします。時間とともに心臓の筋肉の壊死が進みますので、一刻を争う状態です。時折朝まで我慢していたという方がいますが、激痛や耐えがたい苦しさではなくとも症状が続く場合には、緊急でご来院ください。また、5-15分くらいの症状であっても、以前よりも軽い動きで症状が出るようになった、回数が増えた、回復にかかる時間が長くなったなどの場合には、心筋梗塞に移行しやすい状態の可能性がありますので、できるだけ早く来院されることをお勧めします。当科では、深夜や休日も24時間体制で緊急心臓カテーテル検査・治療が行えるよう準備を整えていますので、速やかに検査・治療を実施することができます。

心不全の場合には、徐々に息苦しさやむくみが悪化してくる場合もありますが、急に息苦しくなって緊急入院となることも多い疾患です。弁膜症、心筋症、高血圧などが原因のことも多いのですが、心筋梗塞が原因のこともありますのでやはり至急来院していただくことが望まれます。心臓病に関しては、がまんは禁物です。当ホームページの「受診案内」に従って、ご来院ください。

対象となる疾患

  1. 心不全
  2. 虚血性心疾患 ①安定労作性狭心症 ②冠攣縮性狭心症 ③急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞及びST上昇型心筋梗塞) ④陳旧性心筋梗塞 など
  3. 不整脈 ①徐脈性不整脈(洞不全症候群(sick sinus症候群)、房室ブロック) ②上室性頻脈性不整脈(洞性頻脈、上室性期外収縮、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍症) ③心室性頻脈性不整脈(心室性期外収縮、心室頻拍、多源性心室頻拍(トルサード・ド・ポワント(torsades de pointes)、心室細動 ④QT延長症候群、Wolff-Parkinson-White <WPW>症候群、Brugada症候群等) など
  4. 弁膜症 ①僧帽弁狭窄症・閉鎖不全症 ②大動脈弁狭窄症・閉鎖不全症 など
  5. 心筋・心膜疾患 ①特発性心筋症(肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症)、二次性心筋疾患 ②急性心筋炎 ③感染性心内膜炎 ④急性心膜炎、収縮性心膜炎 ⑤心タンポナーデ ⑥心臓腫瘍(粘液腫) など
  6. 先天性心疾患 ①心房中隔欠損症 ②心室中隔欠損症 ③動脈管開存 ④Fallot四徴症) など
  7. 動脈疾患 ①急性大動脈解離 ②大動脈瘤 ③閉塞性動脈硬化症 など
  8. 高血圧症
  9. 低血圧症
  10. 肺動脈血栓塞栓症、肺梗塞

対象となる症状

  1. 胸部の痛み・圧迫感・絞扼感・重圧感、背部の痛み
  2. 動悸、脈の飛び・乱れ、早い脈
  3. 動いた時の息切れ、呼吸困難、夜間の息苦しさ
  4. 持続するむくみ
  5. 一時的な意識消失、眼前暗黒感
  6. 長く続く原因不明の熱
 

診療実績

2018年度 入院
疾患名 症例数
急性心筋梗塞 144
心不全 195
急性大動脈解離 24
冠動脈インターベンション 211
ペースメーカー植込み等 71
2018年度 外来
疾患名 症例数
総数 14,838

診療スタッフ

氏名 資格 職位 専門分野 認定資格
重城 健太郎
(じゅうじょう けんたろう)
心臓内科スタッフ
教授 診療部長
運営責任者
研究主任
心血管インターベンション
心不全
日本内科学会認定内科医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
経カテーテル的大動脈弁置換術実施医
井上 芳郎
(いのうえ よしろう)
心臓内科スタッフ
講師 医局長
外来医長
心血管インターベンション
心不全
日本内科学会認定内科医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
日本医師会認定産業医
ICD/CRT研修終了証
小宮山 英徳
(こみやま ひでのり)
心臓内科スタッフ
講師 研究副主任
カテーテル室長
心血管インターベンション 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定専門医
石原 嗣郎
(いしはら じろう)
心臓内科スタッフ
講師 教育主任
病棟長
心不全
デバイス治療
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本循環器学会認定循環器専門医
ICD/CRT研修終了
阿部 拓朗
(あべ たくろう)
心臓内科スタッフ
助教 医員 心血管インターベンション
心不全
日本内科学会認定内科医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
安藤 敏行
(あんどう としゆき)
心臓内科スタッフ
助教 医員 循環器病学
冠動脈インターベンション
高血圧
日本内科学会認定内科医
奥田 希子
(おくだ のぞみこ)
心臓内科スタッフ
助教(専) 医員 心血管インターベンション
心不全
日本内科学会内科専門医
日本医師会認定産業医
河原 勇貴
(かわはら ゆうき)
心臓内科スタッフ
助教(専) 医員 心血管インターベンション
心不全
日本内科学会専門医
小形 円香
(おがた まどか)
心臓内科スタッフ015
助教(専) 医員 心エコー
長堀 寛司
(ながほり ひろし)
心臓内科スタッフ
助教(専) 医員
神山 哲男
(かみやま てつお)
心臓内科スタッフ
准教授(埼玉医科大学病院 救急科・緩和医療科)兼担 循環器病学
超音波医学
緩和医療学
日本内科学会認定内科医
日本内科学会認定総合内科専門医・指導医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本超音波医学会超音波専門医
石川 昌弘
(いしかわ まさひろ)
心臓内科スタッフ
非常勤医師

外来担当医表

心臓内科
  月曜日
Monday
火曜日
Tuesday
水曜日
Wednesday
木曜日
Thursday
金曜日
Friday
土曜日
Saturday
午前
初診
重城 健太郎
(Jujo
Kentaro)
石原 嗣郎
(Ishihara
Shiro)
重城 健太郎
(Jujo
Kentaro)
小宮山 英徳
(Komiyama Hidenori)
竹下 享典
(Takeshita Kyosuke)

阿部 拓朗
(Abe Takuro)



小宮山 英徳
(Komiyama Hidenori)

再診
神山 哲男
(Kamiyama
Tetsuo)

安藤 敏行
(Ando Toshiyuki)
重城 健太郎
(Jujo
Kentaro)



井上 芳郎
(Inoue
Yoshiro)




午後
再診
阿部 拓朗
(Abe Takuro)
奥田 希子
(Okuda
Nozomiko)
小宮山 英徳
(Komiyama Hidenori)
河原 勇貴
(Kawahara
Yuki)
谷 昂大
(Tani
Akihiro)




石原 嗣郎
(Ishihara
Shiro)


専門外来
心房細動外来
重城 健太郎
(Jujo
Kentaro)


ペースメーカー
(交替制)


土曜日は初診患者を受付ておりません。

医療機関の方へ

心臓内科は虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、心不全、不整脈、心筋症、弁膜症、急性大動脈解離、肺梗塞などの診療を行っています。対象疾患の性質から救急症例が多いのですが、川越・東入間地区とその周辺の心血管救急は可能な限り収容するように努めています。心肺停止やショック症例は高度救命救急センターと協力してPCPSなどの補助循環も積極的に使用し、また心臓血管外科との連携のもとに診療を行っています。

当科の方針として、エビデンスに基づき必要な症例にのみ侵襲的検査・治療(カテーテルインターベンション、デバイス植込み、手術など)を行うようにしており、薬物療法についてもスタンダードな治療を心がけています。冠動脈インターベンションでは血管内超音波を併用し、良好な治療結果を目指しています。不整脈に対しては薬物療法に加え、ペースメーカー・植込型除細動器植え込みを行い、また難治性心不全に対する両心室ペースメーカー植込みも行っています。

なお現在、頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーションは行っておらず、適応例は埼玉医科大学国際医療センターなどの施設に紹介しています。 

患者さんのご紹介について

心臓内科初診外来は月曜日から金曜日まで開いており、受付は8:30から11:00です。紹介状に加え、心電図・胸部X線写真などをお貸しいただければ幸いです。ファックス紹介という方法もありますので、当ホームページの「病診連携室」のバナーをクリックしてご確認ください。

なお、手術の必要な胸部大動脈瘤は心臓血管外科へ、腹部大動脈瘤・末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)は血管外科へ、また心臓合併症のない高血圧症は腎高血圧内科にご紹介ください。

急患については、上記の初診受付時間外は当日の当直医が拝見しますので、前もってお電話をお願いいたします。一般病棟・CCUが満床であったり、また心筋梗塞の緊急カテーテル治療中などで他の急患に対応できない場合もありますので、ご了解ください。

ご紹介・ご依頼のお電話は8:30から17:30は心臓内科外来(049-228-3586)、17:30から翌朝までは夜間・休日受付(049-228-3595)にお願いいたします。また、急性心筋梗塞が疑われる場合は、「心筋梗塞ホットライン」(080-9980-2999)で24時間対応しておりますので、是非御利用ください。

埼玉医科大学バナー 埼玉医科大学看護学校バナー
http://isp-sik.sakura.ne.jp/smc/chiken/hec/opt-out/