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高度救命救急センター

2019年5月29日更新

ご挨拶

全国289箇所ある救命救急センターはその地域ごとに果たしている役割は様々です。重症症例に特化した高度な医療を得意とする施設から救急外来で診断まで行い治療は各診療科に依頼するER型など様々な形で救急医療が提供されています。そのような中で私達の高度救命救急センターは救急科(ER科)と共同で診療にあたり、救急科(ER科)へ搬送された患者のうち重症外傷症例や複数科にまたがり単独科では診療不可能な重症内因性症例、ドクターヘリで搬送された症例、二次救急医療施設から転院依頼された症例など、重篤な状態の患者を24時間体制で受け入れ高度な医療を提供する第三次救急医療施設として機能しています。当センターは2016年3月、地上4階・地下1階の新病棟が完成しました。1階は20床の外傷中心の集中治療室(外傷ICU)と救急科外来、2階は32床の準集中治療室(HCU)と20床の手術後や内因性疾患の集中治療室(GICU)、3階は16床の小児集中治療室・小児救命救急センター(PICU)、4階は救急疾患に優先して対応する手術室が5室あります。導入機器は64列高速全身CTスキャンが2台、救命救急センターでは全国で初めて導入した透視装置Zeego、ナビゲーションシステムなどで充実させました。特に初療室は高速CTスキャンとZeegoを上手に融合させた準ハイブリッド初療室とも呼べる機能を持たせて、重症外傷による出血性ショックや脊髄損傷、骨折整復などに早急に対応可能な救命救急センターとなりました。

私達が目指す救急医療は総合医療センターのある医療圏の三次救急患者は勿論のこと、広く県内外からの高度救急医療が必要な重症患者に対応することです。

「Vision、Passion、Action」の合い言葉の下に「助かる命を確実に救う」、「決して断らない救急医療」、それが私達の使命です。

当科の診療について

当高度救命救急センターは1987年に救命救急センターとして開設し、1999年には国と県から高度救命救急センターに指定され、2007年にドクターヘリの基地病院となった第三次救急医療施設です。一般的な救命救急センターとは異なり私達の施設は救急科(ER科)と共同して、病院前医療から初期治療、手術、集中管理・集中治療、回復期そして転院や自宅退院までを行う自己完結型救命救急センターです。対象疾患は主として身体の複数箇所が重度に損傷した重症多発外傷や突然の心肺停止、急激に発症した意識障害、急性心筋梗塞や大動脈解離などの心大血管疾患、くも膜下出血や脳梗塞などの脳卒中、出血性ショックや敗血症性ショックなど各種ショック状態、複数科にまたがり内科単独科では対応出来ない内因性疾患、熱中症などです。高度救命救急センターの指定を受けた施設は、これらの疾患の他に四肢切断、広範囲熱傷、急性中毒に対応しなければなりません。私達の施設は重症多発外傷、脊髄損傷、切断四肢の接着などに高度な医療を提供する三次救急医療施設として機能しています。ドクターヘリ運航と共に新病棟が開設し、さらに人的にも設備的にも充実したことで発症早期の傷病者を受入れ、超急性期の手術も可能となったことで手術成績も飛躍的に向上し、米国の最も高度な外傷センターの治療成績を凌駕するまでとなりました。その結果入院患者数は年間約1400名と増加し、手術件数も1000件を超えています。他科に依頼せず救命救急センター独自で行った手術件数としては全国一と思われます。
さて、このような高度救命救急センターですので診療システムは一般診療科とは異なります。高度救命救急センターには外来がありません。従って一般診療科のように外来受診から入院に至る経路はありません。入院患者は救急車やドクターヘリにより救急搬送された方です。救急隊員やドクターヘリ搭乗医師が救急現場で高度救命救急センターへの搬送を判断し入院は高度救命救急センター医師が決定します。入院期間に関しても高度救命救急センター医師が判断します。入院の適応がなくなったならば転院あるいは自宅退院していただきます。退院後は自宅近隣の医療機関を紹介いたします。救命救急センターは瀕死の状態の救急患者を24時間体制で常時受け入れることが社会的使命のため、このようなシステムを取っていますことをご了承下さい。

対象疾患・対象となる症状

心肺停止、突然の意識障害、各種ショック、急性循環不全、急性呼吸不全、慢性疾患の急性増悪などの緊急性のある病態に対応します。以下に対象疾患の代表例を外因性と内因性に分けて列挙します。

外因性疾患
  • 多発外傷(複数臓器にわたる外傷)
  • 頭部外傷
  • 脊髄損傷
  • 顔面外傷
  • 胸部外傷
  • 腹部外傷
  • 血管損傷
  • 骨盤骨折
  • 開放骨折
  • 四肢切断
  • デグロービング
  • 広範囲熱傷
  • 電撃傷
  • 急性薬物中毒
  • 異物による窒息
  • 溺水
  • 偶発性低体温症など 
内因性疾患
  • 脳血管障害(くも膜下出血、脳梗塞、脳出血など)
  • 急性冠症候群(心筋梗塞)
  • 大動脈解離
  • 重症感染症(敗血症など)
  • 消化管出血(吐血、下血など)
  • 産科救急など
 

救急隊や医療機関の医師の判断で高度救命救急センター搬送の適応が判断され受け入れの要請が行われます。

診療実績

2017年度 全身麻酔手術件数
疾患種別 症例数 割合(%)
脳血管障害 32 2.4
心大血管疾患 7 0.5
呼吸器疾患 23 1.7
消化器疾患 17 1.3
内分泌代謝疾患 4 0.3
その他内因性 88 6.5
外傷 937 69.7
熱傷 20 1.5
中毒 61 4.5
その他外因性 37 2.8
CPA 119 8.8
合計 1,345 100

2017年度 全身麻酔手術件数
手術領域 症例数
脳外科領域 41
外科領域 107
整形外科領域 1,008
その他 2
合計 1,158
2017年度 外傷重症度別生存退院率(CPAを除く)
Injury Severity Score (ISS) 生存率(%)
1~5 99.2
16~9 94.4
40~ 80.8

診療スタッフ

氏名 資格 職位 専門分野 認定資格
堤 晴彦
(つつみ はるひこ)
病院長
教授 病院長 救急医学
脳神経外科学
集中治療医学
日本救急医学会指導医
日本脳神経外科学会専門医
澤野 誠
(さわの まこと)
高度救命救急センタースタッフ002
教授 高度救命救急センター長
診療部長
研究副主任
血管外科学
一般外科学
救急医学
日本救急医学会指導医
中田 一之
(なかた かずゆき)
高度救命救急センタースタッフ005
准教授 診療副部長
病棟医長(HCU)
内科学
循環器学
集中治療医学
日本内科学会総合内科専門医
日本循環器学会循環器専門医
日本集中治療医学会集中治療専門医
井口 浩一
(いのくち こういち)
高度救命救急センタースタッフ006
准教授 診療副部長 救急医学
外傷学
整形外科学
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄病指導医
日本整形外科学会専門医
インフェクションコントロールドクター
荒木 尚
(あらき たかし)
高度救命救急センタースタッフ003
准教授 教育主任
研修担当医長
小児重症頭部外傷
小児脳死
虐待による頭部外傷
日本脳神経外科専門医・指導医
日本救急医学会専門医・指導医
日本小児神経外科学会認定医
熊井戸 邦佳
(くまいど くによし)
高度救命救急センタースタッフ004
准教授 研究主任 救命救急
脳神経外科学
赤外分光分析
日本脳神経外科学会専門医
福島 憲治
(ふくしま けんじ)
高度救命救急センタースタッフ007
講師 総務担当医長
教育副主任
救急医学
整形外科学
災害医学
日本救急医学会専門医・指導医
日本整形外科学会専門医
大饗 和憲
(おおあえ かずのり)
高度救命救急センタースタッフ008
講師 病棟医長(後方病棟) 整形外科学
外傷学
日本整形外科学会専門医
日本体育協会スポーツドクター
大河原 健人
(おおかわら けんと)
高度救命救急センタースタッフ009
講師 外来医長 外科侵襲学
救急医学
日本外科学会専門医
日本救急医学会専門医
大井 秀則
(おおい ひでのり)
高度救命救急センタースタッフ013
助教 病棟医長(ICU) 救急医学 日本救急医学会専門医
上村 直子
(かみむら なおこ)
高度救命救急センタースタッフ010
助教 教育副主任 整形外科学 日本整形外科学会専門医
有馬 史人
(ありま ふみひと)
高度救命救急センタースタッフ011
助教 集中治療
航空医療
災害医療
日本救急医学会専門医
日本航空医療学会認定指導者
今本 俊朗
(いまもと としろう)
高度救命救急センタースタッフ012
助教 総合診療
小児救急
病院前救急
遠藤 成晃
(えんどう しげあき)
高度救命救急センタースタッフ012
助教 救急医学
整形外科学
亀田 慎也
(かめだ しんや)
高度救命救急センタースタッフ014
助教 集中治療医学
麻酔科学
超音波検査
日本麻酔科学会専門医
麻酔科標榜医
久木原 由里子
(くきはら ゆりこ)
高度救命救急センタースタッフ015
助教 救急医学
集中治療学
斎藤 美音
(さいとう みお)
高度救命救急センタースタッフ012
助教 救急医学 FCCSプロバイダー
ACLSプロバイダー
芝山 浩樹
(しばやま ひろき)
高度救命救急センタースタッフ016
助教 外傷学
手の外科
マイクロサージャリー
日本形成外科学会専門医
田中 はるか
(たなか はるか)
高度救命救急センタースタッフ012
助教 救急医学
田 翔太
(でん しょうた)
高度救命救急センタースタッフ017
助教 整形外科学
平松 玄太郎
(ひらまつ げんたろう)
高度救命救急センタースタッフ019
助教 救急医学 日本救急医学会専門医
松田 真輝
(まつだ まさき)
高度救命救急センタースタッフ020
助教 外科学 日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
日本がん治療認定医
森井 北斗
(もり ほくと)
高度救命救急センタースタッフ021
助教 重度四肢外傷 日本整形外科学会専門医
八幡 直志
(やはた ただし)
高度救命救急センタースタッフ022
助教 整形外科学 日本整形外科学会専門医
吉田 理
(よしだ おさむ)
高度救命救急センタースタッフ024
助教 整形外科学 日本整形外科学会専門医
米本 直史
(よねもと なおふみ)
高度救命救急センタースタッフ025
助教 整形外科学 日本整形外科学会専門医
佐藤 直人
(さとう なおと)
高度救命救急センタースタッフ012
非常勤 整形外科学

外来担当医表

高度救命救急センター
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Monday
火曜日
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水曜日
Wednesday
木曜日
Thursday
金曜日
Friday
土曜日
Saturday

医療関係の方へ

当高度救命救急センターは、麻酔科管理の一般集中治療室(GICU)とは別に、ICU 16床、HCU 32床、後方病棟 19床の合計67床(2018年3月31日現在)と国内最大規模の救命救急専用の病床を有し、集中治療チーム、脳外科チーム、外科チーム、整形外科チームの各専門科チームのスッタフが救命救急専属で従事しています。これら専属の専門科チームにより、各種緊急手術や複数の手術への迅速な対応が可能となり、外傷症例とくに多発外傷症例でこのシステムの利点が発揮されています。また、この病床数は年間900例の外傷症例、年間1100件を超える全身麻酔手術件数に加え、急性期から回復期までの一貫した医療を可能にしています。まさに外傷センターと呼べるhigh volume centerであります。これらのチーム体制やhigh volume化に加え、麻酔科、放射線科、リハビリテーション科などの各科や、輸血部、検査部など他部門からの高度な医療の協力が、生命予後のみならず機能予後における良好な成績を支えています。外傷以外では、脳血管障害や心大血管疾患など脳神経外科、心臓血管外科、心臓内科など各科への転科により専門的治療へつながっています。その他の内因性疾患や中毒などにおいてはER(救急)科の協力により対応可能となっています。

当センターへのご紹介にあたっては、明らかな内因性疾患の場合は、まずは当該診療科にご紹介ください。外傷、原因不明の意識障害やショック、中毒などは、窓口になっているER(救急)科へご相談ください。特に重症外傷(脊髄損傷、骨盤骨折、胸部外傷、腹部外傷、血管損傷など)や多発外傷症例は県内外から広く紹介されるようになり、外傷センターとしての役割を地域の医療機関から期待されていることと自負しております。これからも、益々、受け入れを強化して参りますので、症例でお困りの際にはお気軽にご相談ください。

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