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脳血管センター

2018年6月6日更新

ご挨拶

当院の脳血管センターは、脳血管に対してカテーテル治療を提供するための診療部門です。「開頭手術」と「内服治療」の中間に位置する治療であり、脳神経外科と神経内科のスタッフが共同で治療に当たっています。2017年4月に最新の設備とともに開設された最先端のカテーテル治療センターです。

カテーテル治療は、「術者の腕」も重要ではありますが、むしろ「最新の医療機器」に大きく左右される治療法で、医療機器のイノベーションとともに急速に進歩しています。実際、脳血管の病気(脳動脈瘤や硬膜動静脈瘻など)や頚部の血管の病気(頚動脈狭窄など)の多くがカテーテルで治せるようになってきました。脳血管の病気が見つかってお悩みの患者さんはぜひご相談ください。

私自身、できれば病気はお薬で治してほしいと考える方です。もし、お薬で治せないにしても、お薬でなんとか持たせてくれればいいです、と考えてしまいます。そのような患者さんの希望にできるだけ沿って治療方針を相談させていただきたいと思っています。ただ、病気の種類や程度によっては、どうしても手術が必要ということもあります。その場合は、できるだけ「切らない」で済むように、カテーテル治療で患者さんをサポートいたします。

当科の診療について

脳血管に対するカテーテル治療は、脳神経外科と神経内科が共同で行っています。このため、治療のご相談に関しては、脳神経外科および神経内科の両方で承っています。脳神経外科では、カテーテル治療の専門外来を木曜日午前中にオープンしております(担当:庄島)。神経内科では、脳血管障害の専門外来を木曜日午後にオープンしております(担当:傳法)。この曜日以外でも、カテーテル治療に関してのご相談は脳神経外科および神経内科の外来にて承っていますのでご相談ください。

脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)
  • 脳動脈瘤が破裂するとクモ膜下出血になります。強い頭痛で発病することもあれば、意識を失って倒れて発病することもあります。クモ膜下出血のほとんどの患者さんは救急車で来院されます。カテーテル治療を行えるかどうかは動脈瘤の形や位置などの情報に加えて、患者さんの状態などを総合的に判断して決めます。おおよそ7割くらいの患者さんの動脈瘤はカテーテルで治療可能です。
  • 脳ドックなどで診断される動脈瘤は、未破裂脳動脈瘤と呼ばれます。サイズが5ミリ以上の場合は、将来の破裂を防ぐ為に、予防的な手術に関して検討したほうがよいと言われていますが、私たちは、患者さん個別のライフスタイルや健康状態を考慮しつつ、患者さんと対処方法を相談いたします。
  • 当院には最先端の血管撮影装置が設置されています。高精細の三次元画像診断や「三次元プリンター」を用いた術前シミュレーションも実施しています。
硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう)
脳を包む丈夫な膜(硬膜)で動脈と静脈が直結してしまう病気です。本来は脳の病気ではありませんが、脳の静脈と硬膜の静脈がつながっているために、脳に悪影響が及んでしまうことがあります。治療のためには、「知識」「技量」「治療経験」に加えて「最新の血管撮影装置」による「三次元画像診断」が不可欠です。当院の責任医師は硬膜動静脈瘻に関する豊富な治療経験(約150件)があります。
脳動静脈奇形(のうどうじょうみゃくきけい)
脳組織の中で動脈と静脈がつながってしまう生まれつきの脳血管の病気です。血管の一部が破れてしまって脳出血を起こすことがあります。この病気はカテーテル治療だけでは治すことはできませんが、バーチャルリアリティを用いた三次元画像診断を行う事で血管の破れた部位を特定し、カテーテルで止血するといった治療を得意としています。
頚動脈狭窄(けいどうみゃくきょうさく)
顎の裏側のあたり首の動脈にごみ(プラーク)がたまって血管が細くなってしまう病気を頚動脈狭窄症といいます。現在、お薬による治療がベストと考えられていますが、血管がかなり細くなってしまった場合や、狭窄が進行する場合には、カテーテル治療で血管を広げることができます。カテーテル治療後も生活習慣の改善や高血圧・高コレステロール血症の治療が重要で、術後も継続してサポートいたします。
脳梗塞
脳の血管が詰まってしまうと、脳細胞が酸欠状態となり、手足が動かなくなったり呂律が回らなくなってしまいます。このような病気を脳梗塞と言います。細い血管が詰まってしまった場合は、点滴や飲み薬で治療するのが一番ですが、太い血管が詰まってしまった場合は、お薬だけではうまく治療できないために、バルーンカテーテルやステントをもちいて血管を拡張します。また、不整脈(心房細動)などで心臓から脳に向かって血栓が飛んでしまった場合には、ステント型血栓除去デバイスや血栓吸引カテーテルを用いて、つまってしまった血管を再開通させます。

対象疾患

当科で治療可能な疾患と治療内容は以下の通りです。

脳動脈瘤
未破裂脳動脈瘤のベストな治療法は血圧や禁煙を含めた生活習慣の改善です。まずは、どのように生活習慣を改善したらいいのか、ご相談させていただきます。だた、サイズが大きかったりいびつなカタチをしているものは破裂するリスクが高いので、手術治療をおすすめするかもしれません。医療機器の進歩により、ほとんどの脳動脈瘤はカテーテル手術で治療可能ですので、ご相談ください。当科の担当医は全国で40名、埼玉県内で2名しかいないフローダイバーターの実施医でもあります。
頚動脈狭窄症
頚動脈狭窄もやはりベストな治療は血圧や禁煙を含めた生活習慣の改善です。多くの場合、生活習慣の改善とお薬による治療で大丈夫です。ただ、生活習慣を改善してもどんどんと血管が細くなってしまう場合や、かなり細い場合には手術治療が必要になります。手術方法には直達手術の頚動脈内膜剥離術とカテーテル治療の頚動脈ステント留置術があります。事前にMRIなどを行ってどちらの治療が適しているかを判断いたしますが、ほとんどはカテーテル治療で対処可能ですので、私たちにご相談ください。
発症8時間以内の脳血管閉塞
心房細動などの不整脈がある場合、心臓の中で血栓が形成されやすくなります。心臓から飛んできた血栓が脳血管を閉塞させると、突然、半身が動かなくなったり言葉が出なくなったりします。そのような状態になると、今までは3割くらいの方しか回復しなかったのですが、カテーテル治療を行って血栓を吸引除去することで6割~8割くらいの方が歩けるくらいに回復出来る様になりました。突然の半身麻痺が出た場合は、直ちに救急車を読んでください。救急隊の方にお任せすれば、私たちのようなカテーテル治療を上手に行える施設に搬送していただけますので、安心して救急隊の方にお任せください。
硬膜動静脈瘻
脳を包む丈夫な膜を硬膜といいますが、硬膜を養う動脈と静脈がつながってしまった病気を硬膜動静脈瘻といいます。治療を行うためには、細かな血管にカテーテルを誘導する技術だけでなく、複雑な血管構築を三次元的に把握して患者さん個別の治療プランを立てて、放射線治療や直達手術も組み合わせて治療を進めていく必要があります。最先端の血管撮影装置と豊富な治療経験の両方が必要な疾患ですので、ご相談ください。
脳動静脈奇形
脳の内部で動脈と静脈がつながってしまった病気を脳動静脈奇形といいます。この病気を完全に治すためには、開頭術か放射線治療のどちらかの治療が必要です。カテーテル治療はそれらの治療を補助するために行います。例えば、とくに破れやすそうなところがあるところを見つけて、その部分をカテーテルで治療すれば、開頭術を行わずに放射線治療で脳動静脈奇形を治癒させる事ができます。

対象となる症状

  • 脳血管センターでカテーテル治療を受けられる患者さんは、①突然の意識障害や麻痺などの症状で救急車で来院される ②無症状で脳ドックなどで偶然に脳血管の病気が見つかって来院される、のどちらかがほとんどです。このため、カテーテル治療の対象となる患者さんの特定の症状はございません。
  • 脳動脈瘤や硬膜動静脈瘻、頚動脈狭窄など多くの脳血管に関わる病気はカテーテルで治療できるようになってきました。脳や頚部の血管の病気が見つかった場合、カテーテル治療が必要かどうか、可能かどうか、などのご相談にいらしてください。

診療実績

2017年 入院
疾患名 症例数
総数 72件
脳動脈瘤コイル塞栓術 32件
頚動脈狭窄/閉塞 に対するステント留置術 7件
硬膜動静脈瘻に対する塞栓術 5件
脳動静脈奇形の塞栓術 6件
脳動脈狭窄に対する血管拡張術 10件
急性期脳梗塞(カテーテル血栓除去術) 5件
頭蓋内腫瘍塞栓術 1件
外傷性椎骨動脈損傷の塞栓術 5件

診療スタッフ

氏名 資格 職位 専門分野 認定資格
庄島 正明
(しょうじま まさあき)
脳血管センタースタッフ001
教授(脳神経外科) センター長 脳動脈瘤
頚動脈狭窄症
硬膜動静脈瘻
日本脳神経外科学会認定医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳神経血管内治療学会指導医
日本バイオレオロジー学会理事
野村 恭一
(のむら きょういち)
脳血管センタースタッフ002
教授(神経内科) 副院長
神経内科診療科長
免疫性神経疾患
末梢神経疾患
血液浄化療法
日本神経免疫学会理事
日本アフェレシス学会理事
日本末梢神経学会理事
日本神経学会評議員
日本脳卒中学会脳卒中専門医
松居 徹
(まつい とおる)
脳血管センタースタッフ003
教授(脳神経外科) 副院長
脳神経外科診療科長
脳血管障害
頭蓋底腫瘍
脊椎脊髄疾患
日本脳神経外科学会認定医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳卒中の外科技術指導医
傳法 倫久
(でんぼう ともひさ)
脳血管センタースタッフ004
准教授(神経内科) 神経内科外来医長 脳血管障害
脳神経血管内治療
脳卒中急性期画像
日本脳卒中学会評議員・専門医
日本神経学会専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本心血管脳卒中学会会員
日本脳神経超音波学会会員
印東 雅大
(いんどう まさひろ)
脳血管センタースタッフ005
講師(脳神経外科) 脳神経外科外来医長 脳血管障害(動脈瘤・脳動静脈奇型・頚動脈狭窄症・成人小児もやもや病など)
頭蓋底腫瘍(髄膜腫・神経鞘腫・転移性脳腫瘍など)
脳血管内治療
日本脳神経外科学会認定医
日本脳卒中の外科学会技術指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
田島 孝士
(たじま たかし)
脳血管センタースタッフ006
助教(神経内科) 脳血管内治療
脳血管障害
臨床神経学
日本内科学会専門医指導医
日本神経学会専門医
日本脳卒中学会会員
日本神経治療学会会員
日本脳神経血管内治療学会会員

外来担当医表

脳血管センター
  月曜日
Monday
火曜日
Tuesday
水曜日
Wednesday
木曜日
Thursday
金曜日
Friday
土曜日
Saturday
午前

腹膜透析外来
担当医
腹膜透析外来
担当医
腹膜透析外来
在宅血液透析外来
小川 智也
(Ogawa Tomonari)
(1.3.5週)


腹膜透析外来
腎移植外来
岩下 山連
(Iwasita Takatsugu)

腎移植外来
担当医
(1.3.5週)
在宅血液透析外来
担当医
(1.3.5週)
腹膜透析外来
腎移植外来
松村 治
(Matsumura Osamu)
(2.4週)
腹膜透析外来
在宅血液透析外来
小川 智也
(Ogawa Tomonari)
(2.4週)

腎移植登録外来
清水 泰輔
(Shimizu Taisuke)
(2週)
原 宏明
(Hara Hiroaki
)

午後

腎移植外来
岩下 山連
(Iwasita Takatsugu)
(2週・4週)
透析アクセス外来
安田 邦彦
(Yasuda Kunihiko)

透析アクセス外来
小川 智也
(Ogawa Tomonari)
肥田 徹
(Hida Toru)
(交替制)
透析アクセス外来
清水 泰輔
(Shimizu Taisuke)


腎不全療法外来
腎不全療法外来
腎不全療法外来
腎不全療法外来
腎不全療法外来







献腎移植外来

医療関係の方へ

地域の医療機関の方へ

発症して8時間以内の脳梗塞を疑う救急患者さんに関しましては、是非ご連絡ください。迅速に対応いたします。
また、

  • 未破裂脳動脈瘤
  • 頚動脈狭窄/頚動脈閉塞
  • 硬膜動静脈瘻
  • 脳動静脈奇形
  • その他、首から上の血管の病気

頭蓋内や頸部にくわえて顔面等の血管病変をお持ちで不安を持たれている患者さんがいらっしゃいましたらお気軽にご紹介ください。

木曜日午前中に外来を行っていますが、お電話での相談も随時お待ちしております(脳神経外科外来:043-228-3655)。
当院では通常の検査(三次元CTやMRI、脳血管撮影)に加えて、三次元画像ワークステーションでの融合三次元画像の作成や、血流シミュレーションも提供できます。

医学生・研修医の方へ

脳血管内治療(カテーテル治療)のエキスパートを志す医師の方の研修をお待ちしています。

手術は「経験数が多いだけ」では一流になれません。1つ1つの手技にたいして、なぜそのような操作を行うのかしっかりと理解したうえで手技を行えるカテーテル治療医の育成を目指しています。

また、脳血管内治療は最新の医療機器開発と切り離せません。私たちは、様々な大学との医工連携研究プロジェクトを遂行しています。是非研修中に最先端の研究開発を体験してください。

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